《2月度(1/21〜2/20)分プレアボイド報告》

《2月度(1/21〜2/20)分プレアボイド報告》

●本店より4件●
①前回メルカゾール5mg 6T/2×朝夕食後でお渡しした方が、今回4T/2×となっていたため、服薬指導時に「朝夕食後のまま、1回の錠数が3錠から2錠に変わって、1日計4錠に減ったのですね。」とお話ししたところ、「前回受け取った翌日に先生から直接電話があって、1日1回朝だけ2錠にするように言われたので、今は朝の2錠だけ飲んでいます。
これだと夕も2錠で増えちゃうので、ホルモンの値は良くなってるって言ってたからおかしい。」と返答あり。
→処方医へ上記経緯をお伝えして確認したところ、2T/1×朝食後(現在の用法用量で継続)に変更となった。

②いつもFAXで処方箋を受け付け、郵送の方。
前回 六君子湯の処方がなかったため本人に電話で確認し、「飲むと気持ち悪くなってしまうから、処方をやめてくれと自分から先生に伝えた。」との回答を得ていたが、今回六君子湯も処方されていたため、再度本人へ確認。
再開を頼んだ覚えはないとのことで、処方医へ問い合わせ。
→六君子湯は処方削除となった。

③かかりつけ(耳鼻科ではない)のいつもの処方に、ナゾネックス点鼻液56μg112噴霧 1日1回1噴霧 が追加されていた。
症状はかなり軽度のようではあったが、患者様は大人の方であり、本剤は12歳以上では通常1日1回各鼻腔に2噴霧ずつであるため、処方元へ問い合わせ。
→1日1回各鼻腔に2噴霧ずつの指示に変更となった。
●患者様曰く、今回の医師がお薬手帳を見て、「1年前に他で処方されているのと同じ薬を出しておきます」と言っていたとのこと。
その1年前の他院処方(当局でお渡ししたようだったためPC画面で確認したところ)は「1日1回」であり、何噴霧ずつかの詳細指示がないものでした。

④ムコダイン錠250mg 2T/1×朝食後の処方。
→9歳であり、1日量は問題ないが、1回量は多いこと、そもそも通常分1の薬ではないため、確認のため医師へ問い合わせたところ、2×朝夕食後に変更となった。
●通常1日3回の薬であり、小児では保育園・幼稚園・小学校に通園・通学中の昼は飲めないこともあるだろうと考慮して医師が1日2回で処方することはよくあるものの、1日1回は疑わしかったため、問い合わせに至りました。

●西荻店より7件●
①タリビッド錠100mg 1T/1× 5日分との処方を受けたが、通常300〜600mg/2〜3×の薬剤であるため投与量・回数が少なく、減量を要するような疾患の既往もない患者だったため、問い合わせ。
→薬剤間違いであり、クラビット錠500mg 1T/1× 5日分に変更となった。

②ホスミシン錠500mg 6T/日処方だったが、家族との会話から嚥下困難(+)と発覚。
家族からの希望もあり、剤形変更が必要と思われた。
ホスミシンDSは40% 1g/包の分包品在庫があり、3000mgは端数が出てまき直しが必要になるため、量的な点もあわせて問い合わせ。
→ホスミシンDS400 6g(2400mg)/日に変更となった。

③パキシルCR錠25mg 1.5T/1×処方。
CR錠にて割ることは不可であるため、問い合わせ。
→パキシルCR錠25mg,パキシルCR錠12.5mg 各1T/1×に変更となった。
●CR(Controlled Release)=放出制御、つまり徐放 設計されているため、割ったり粉砕したりするとその徐放機能が破綻してしまいます。

④1歳の小児にペリアクチンシロップ4mLとアスベリンDS7gで処方。
アスベリンDS7gは成人でも多い量であり、問い合わせ。
→アスベリンシロップ7mLに変更となった。
(1歳に7mLも多いですが、どうやら体格の大きいお子さんのようです。)

⑤元々イフェクサーSR150mg/日服用中の方に、今回追加で150mg/日の処方が出た。
上限量225mgの薬剤であり、今回の処方で300mg/日となるため問い合わせ。
→追加分は75mg/日(計225mg/日)に変更となった。
●本剤は上限量の他に増量の仕方も添付文書に記載があります。
「成人にはベンラファキシンとして1日37.5mgを初期用量とし、1週後より1日75mgを1日1回食後に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ1日225mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として75mgずつ行うこと。」

⑥レクサプロ10mg 1T→1.5T/1×夕食後に増量となった方。
増量の旨確認しつつ服薬指導を行なっていたところ、「『増量時に気持ち悪くなるといけないから、その対策のお薬を出しておきます』と先生が言っていたのですが…他にお薬出ていないですよね?」と申し出あり。
→処方元に上記旨を報告・問い合わせし、ガスモチン5mg 1T/1×夕食後 14日分 処方追加となった(お渡しはGE)。

⑦レクサプロ10mg 1T/1×夕食後 25日分のみの処方、お薬手帳持参なしの方。
前回1月末に胃もたれの臨時処方で久し振りに来局されたようだが、メンタル系ではH27.10月に他の医療機関よりルーラン4mg 1T/2×朝夕食後 14日分 という処方が当局履歴上最後だったため、レクサプロは現在服用中の薬剤なのか お渡し時に本人へ確認したところ、現在服用中だが、一緒に処方依頼したレキソタンは処方が出ていないのかと質問あり。
規格・用法用量等詳細情報は本人から得られず、それも含めて処方元へ問い合わせ。
→レキソタン1mg 1T/1×朝食後 28日分 処方追加となった(お渡しはGE)。

なごみ薬局 アイケアユーCafeのワークショップPVができました♪

毎月、月末になごみ薬局で開催されているワークショップです。

どんな方でも参加できます。

参加者は、患者さんはもちろん、医療や福祉を学ばれたい方、専門職の方、企業の方、元気になりたい方、薬剤師、訪問看護士、歯科医師、大学教授、中野区役所の方まで、様々です。

*アイケアユーCafeとは?
医療や介護に関心のある人々を対象とした、なごみ薬局主催の対話型ワークショップ・コミュニティです。

薬剤師や介護士といった専門職から、他職種のデザイナーやプログラマー、中野区の地域住民の皆様など、多様な方々がご参加されています。

東京都中野区における多職種連携を目的に、在宅医療・認知症・緩和ケア・地域包括ケア・介護旅行など、様々なテーマで毎月開催しています。

*参加を希望される方へ
下記のFacebookページから毎月イベントページを立てているので、そこから参加申し込みをお願いいたします。
どなたでも参加可能なイベントですので、お気軽にお越し下さい。
https://www.facebook.com/icareyou.jp/

主催:渡邊 輝(株式会社 なごみ薬局 代表取締役)
和泉 裕之(和泉ワークショップデザイン事務所 代表)
場所:なごみ薬局 上高田店(http://www.nagomipharmacy.co.jp/
撮影・編集:moeko matsuzaki( https://moeko-m.com/

イクスタンジ(エンザルタミド)カプセルについて勉強会しました。

【上高田勉強会共有】
2014年5月に販売開始された去勢抵抗性前立腺癌に対するイクスタンジ(エンザルタミド)カプセルについて、上高田店にて取り扱いがあり、勉強会開催がありましたので内容共有いたします。

■イクスタンジカプセル40mg
アンドロゲン受容体のシグナル伝達阻害作用を有する新規抗アンドロゲン剤

【適応:去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)】
→ホルモン療法が効かなくなっている状態
→イクスタンジ導入時期
→アンドロゲン除去療法(以下、ADT)施行後PSAが最低値(nadir)から25%以上かつ上昇幅として2ng/mL以上で患者への説明を開始

【イクスタンジの特徴(一般)】
・1日4カプセル(160mg/日)の服用が必要(何カプセル剤で長径21mmと大きい)
(→現在、錠剤への製剤化を試みている段階とのこと)
・発現頻度の高い副作用は疲労・倦怠感、悪心、食欲減退
(→化学療法と異なり、生化学的用量制限毒性が少ない)
・国際共同第Ⅲ相試験(PREVAIL試験)においてプラセボ群と比較し、OSを有意に延長し、死亡のリスクを29%低下させた(Kaplan-Meier法)
・PREVAIL試験においてプラセボ群に比べPSFを有意に延長し、画像診断上の病勢進行および死亡のリスクを81%低下した。
・1カプセル 2354.10円であり、一カ月当たり28万円ほどの費用がかかる
(→高額療養費適応)。
・ワーファリンとの相互作用があるため、抗血栓薬を使用する場合は腎排泄型のプラザキサ等への変更が必要

【イクスタンジの特徴(他剤比較)】
・食事の影響を受けない
・ステロイド併用の必要がなく、ステロイドによる副作用に制限されることがない
(→糖尿病を合併した患者さんにも使用可、骨粗しょう症の副作用がない)
・治療選択としてビカルタミドの代替となりえるポディショニング
(→OS延長のデータが他剤になく単純比較はできない)

【薬剤師としてできること】
・有用性の確認された用量での服用を継続できるよう、副作用の説明・管理
(CTCAE Grade2を呈する疲労、倦怠感、悪心・嘔吐、食欲不振発現時の治療コンサルタント)
・イクスタンジ治療抵抗性になった場合の次の治療の選択肢の共有

【感想】
・ホルモン依存性の癌種にはホルモン療法が著効し、化学療法で見られる血液毒性の頻度が低いことが特徴であることが分かった。特にイクスタンジの用量制限毒性は患者の主観的な事象も多く、薬剤師も治療継続に大いに寄与できると感じた。
・同種同効薬のある新薬は、承認取得のためには既存薬に勝るポイント(有効性、副作用の発現率低下、低コスト)が必要となる。イクスタンジは実臨床での使用成績を蓄積の上で更なるエビデンスが構築されると考えられる。
・地域の薬剤師は前立腺がんの1つのマーカーであるPSAのスクリーニングを早期に実施するよう健康な方への予防啓発で前立腺がんの早期発見、予防に寄与できる立場であると感じた。

メディカルアロマ 精油を用いた風邪予防・対策について

今回は、これからの季節に向け、精油を用いた風邪予防・対策について報告します。
前回同様、NARD(ナードアロマテラピー協会)に準じた内容であり、NARDが定める条件を満たす精油(※)を用いた場合に限ります。
ちなみに、精油は医薬品ではなく、「効果がある」と表現することができないため、一般的には「作用がある」「有用」等の表現を使います。
※NARDが定める精油の4つの条件
①芳香植物から水蒸気蒸留法または圧搾法で抽出した芳香分子の集合体で、採油後に成分の添加や除去が一切行われていないもの。(ただし、ジャスミンとベンゾインはこの条件から外す。)また、採油国・採油時期・消費期限が印字されていること。
②化学的に検証を行い、分類した、ケモタイプ精油(ケモタイプ:形態的に全く同一で成分だけが異なる植物)であること。→植物学名が記載されている。
③日本国内で精油の分析を行い、そのデータを公開し、ロットごとの成分分析結果が確認できること。→芳香成分、屈折率、旋光度等の情報が記載された分析表(添付画像①)が添付されている。
④残留農薬について、検査していること。
風邪やインフルエンザというと、よく使われる精油は、ティートゥリー、ラヴィンツァラ、ユーカリ・ラディアタ(他にも様々あるが、今回はこの3種を紹介)。
それぞれの使い分けについてみていく前に、芳香成分類を電子座標で表したもの(添付画像②)を見ておくと理解の補助になる。
絶対ではなく例外もあるが、精油成分がもつ作用の概ねの傾向を把握することができる。
座標の上側は(-)に帯電した成分類で、鎮静作用のあるものが多い。→場合によっては日中使いが困難。
下側は(+)に帯電した成分類で、強壮作用を示すものが多い。→場合によっては夜には使いにくい。
左側は極性のあるもの(湿:有機化合物のうち、Oをもった親水性のもの)が多い。→肌なじみが良い。乾燥肌には保湿にもなる。
右側は無極性のもの(乾:CやHばかりからなり、疎水性、親油性)が多い。→肌にぴりっとくる可能性があり、植物油やジェルなどで十分に希釈する必要がある。むくみとりに良い。
一般的に、座標系の左下に属するもの(フェノールを含め、アルコール類)に抗菌活性が強い。確かに、「アルコールといえば消毒剤」というイメージはある。
中央下部にある酸化物類は、免疫調整・去痰作用があることから、感冒の予防・改善に使用される。
ツンとした香りのものが多く、元気付け的な印象(イメージとしては強壮、よって下部)。
それぞれの「~類」というのは母集団であり、その中にそれぞれ固有成分(例えばα-ピネン←モノテルぺン炭化水素類中の一成分、森林の香りと言われている)がたくさんある。
ちなみに、以前(3/2の投稿) 体質診断(50問に回答し、自分の体質を知る)について紹介した際、この電子座標系と体質分類座標(添付画像③)が重なり、体質の偏りを補うために、対角線上の分類に属する精油(添付画像④)を用いるとよいという話があったため、座標系に見覚えのある方もいらっしゃるかも?

●ティートゥリー(Melaleuca alternifolia フトモモ科、葉)
主な含有成分は、
モノテルペン炭化水素類:抗ウイルス作用(+++)、抗菌作用(++)
約46%(γ-テルピネン、α-テルピネン等)
モノテルペンアルコール類:抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用、免疫調整作用(+++)
約43%(テルピネン-4-オール)
(※%はLot.ごとに変動する)
抗菌作用があり、様々な感染症の予防に効果的。
自生地オーストラリアの原住民であるアボリジニが、健康に欠かせない精油として昔から利用してきた。
モノテルペン炭化水素類という、精油成分の中では一番基本のもの(有機化合物として分子量が比較的小さい)の含有率が高く、分子量が小さい=空気中に漂いやすいため、皮膚塗布でなくても、ディフューズ(空気中への散布)でも有用。

●ラヴィンツァラ(Cinnamomum camphora CT(Cineole) クスノキ科、葉付き小枝)
※CT=ケモタイプ よって、上記は「シネオール成分が多いタイプ」の意味
主な含有成分は、
酸化物類:去痰・抗カタル(※)・抗ウイルス・免疫調整作用(+++)、抗菌作用(++)
約56%(1,8シネオール)
モノテルペン炭化水素類:抗ウイルス作用(+++)、抗菌作用(++)
約30%(α-ピネン、β-ピネン等)
モノテルペンアルコール類:抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用、免疫調整作用(+++)
約10%(α-テルピネオール等)
※抗カタル作用:体内の過剰になった粘膜(特に鼻や咽頭など→痰、鼻水、鼻づまり)を
粘液溶解・排出させる作用
ラヴィンツァラには誘眠作用がある(座標系ではモノテルペン炭化水素類もモノテルペンアルコール類も下部にあるため、鎮静より強壮系のはず…?と、こういうところが例外)
ため、日中使いは避けたい。眠前使用向き(不眠対策にも使われる精油)。
植物油等で希釈しての皮膚塗布、ディフューズいずれもOK。
本精油は抗ウイルス作用と、特に免疫刺激作用が強いため、風邪をひきたくない時、つまり予防(インフルエンザも含め)に向いている。
更に、抗カタル作用は酸化物類にしかなく、実際に症状が出ている時の使用(回復に向けて)にも向いている。
禁忌・注意事項なし。

●ユーカリ・ラディアタ(Eucalyptus radiate ssp. Radiate フトモモ科、葉)
※ssp.=亜種
主な含有成分は、
酸化物類:去痰・抗カタル・抗ウイルス・免疫調整作用(+++)、抗菌作用(++)
約70%(1,8シネオール)
モノテルペン炭化水素類:抗ウイルス作用(+++)、抗菌作用(++)
約15%(リモネン等)
モノテルペンアルコール類:抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用、免疫調整作用(+++)
約10%(α-テルピネオール等)
ちなみに、コアラが食べているユーカリとは異なる品種。
酸化物類の比率が高く、抗カタル・去痰作用に特に優れることから、風邪をひいたりインフルエンザにかかったりして症状が続き、苦しい時向き(もちろん予防にも使えるが)。
痰のからまる咳を鎮める作用もある。
植物油等で希釈しての皮膚塗布、ディフューズいずれもOK。
禁忌・注意事項なし。
つまり、予防:ティートゥリー → 症状出始めの眠前:ラヴィンツァラ → 症状が続く時:ユーカリ・ラディアタ と使い分ける。
鼻づまりのある時には、抗カタル作用のある成分を含む精油をマスクの内側に塗布して使うとよい。
もちろん、絶対にこの使い分けをしないといけないわけではないが、抗生剤と同じように、同じ精油を長期使用継続することで耐性菌が出る可能性もあるため、1つ1つが長期化しないように使い分けることが推奨される。
また、これは医療機関に受診する前のセルフケアの話であり、医薬品でないとできないこともあるため、症状が重く・つらくなる前に医療機関を受診することが望まれる。
画像①:分析表               画像②:芳香成分類 電子座標系

画像③:体質分類座標         画像④:座標上の精油の分類
※④について、ほぼ単一の成分のみの精油もあれば、複数種の「~類」で構成され、かつそれぞれの類の中に更に複数種の成分をもつ精油もあるため、後者では座標上の分類が難しくなる。その場合、含有比率の大きい類が属する座標上の位置で記載されている。

六年制の薬学部生が実務実習を行っております

現在なごみ薬局本店では薬学部5年生の学生に実習を行っております。

大学における事前実習で十分な知識、技能、態度を習得し更なる医療の質の向上に貢献できる薬剤師の養成を目指しております。

実習にあたり、患者さんをはじめ関係者の皆さまにご協力をお願いすることがありますが、ご理解のほど宜しくお願いいたします。

尚、話し声や対応など気になることがございましたらお申し付けください。