デパケン勉強会の報告

先日協和発酵キリンさんにデパケンについての勉強会をしていただきました。内容についてシェアします。

今回はごく基礎的、基本的な内容の確認の勉強会となりました。

次回はリーマスの勉強会なので、リーマスとデパケンで同じ躁症状で使われる場合に、どのような違いがあるのか比べてみたいと思います。

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○患者に対する処方内容(薬剤名、用法・用量等)の確認

躁病および躁うつ病の躁状態の治療:

<デパケンR>1日量400〜1200mgを1日1〜2回に分けて服用。

<デパケン>1日量400〜1200mgを1日2〜3回に分けて服用。

※1日2回R錠を使うのが、1日を通しての血中濃度の変化は少なく良いそうです。

※R錠以外からのR錠への変更の場合、血中濃度の変化に注意が必要。

○服薬指導のポイント

・<Rのみ>噛み砕かずに水で服用すること。

・<Rのみ>糞中に白色の残渣(薬の抜け殻)が残ることがある。

・妊婦:★DRに必ず相談すること!

→ 催奇形性が認められている(IQの低下、自閉症の増加などの可能性あり)

・高齢者への投与:血中濃度が高くなる恐れあり(血漿アルブミンが減少していることが多い為)

・併用禁忌:カルバペネム系抗生物質(西荻にはありません)

・併用注意:カルバマゼピン(バルプロ酸減弱、カルバマゼピン増強または減弱)、ラモトリギン(ラモトリギンの半減期2倍に延長)、サリチル酸系薬剤(バルプロ酸増強)、ベンゾジアゼピン系・ワーファリン(←の薬増強)、エリスロマイシン(バルプロ酸増強)、クロナゼパム(欠神発作重積があらわれたとの報告)

・慎重投与:肝機能障害またはその既往歴のある患者(肝機能障害が強くあらわれるおそれがある)

・主な副作用:傾眠(車の運転注意)、悪心・嘔吐、貧血など

・リチウムが効かなかった人に効果が期待出来る。

(リチウム→不快気分<イライラ>を伴う症状、デパケン→爽快気分を伴う症状に効果が期待できる、といわれている)

・作用機序:脳内のGABAとドパミン濃度を上昇させ、セロトニンの代謝を促進させる(正確にはわかっていない)

なごみ通信 9月号

最近秋も段々と深まり、夜も涼しくなりとても過ごしやすい季節になってきましたね。今回は高齢者の方向けの睡眠についての健康情報です。

 「長時間ぐっすり寝ないとダメ」は迷信?                              

 加齢とともに必要な睡眠時間は減少します。睡眠時間が短くても、日中の活動に悪影響が出なければ不眠症ではありません。

年を取っても良質な睡眠は可能

 「遅寝、早起き」で睡眠の質が高まります。眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めたり、眠れなくなる方は寝床で過ごす時間が長過ぎる可能性があります。例えば午後11時ぐらいまで寝る時刻を遅らせてみましょう。朝は一定の時刻に起きるようにし、寝床で過ごす時間を少し短くします。睡眠は長さではなく、質が重要です。

「適度な活動」で程よく疲れましょう

 睡眠とは日中の疲れを取るための生理現象です。良質な睡眠を得るためにも、運動や家事などを積極的に行い、日中の活動量を増やしましょう。

在宅医療への参画と介護保険について

9/19にH30年度第1回東京都薬剤師会中野地区薬剤師研修会に参加しました。
「在宅医療への参画と介護保険について」という講習がありましたので在宅について報告です。

・中野区内医療資源調査において、訪問服薬指導実施有は回答のあった119軒中31.3%(H27.2月)

※なごみ薬局は訪問服薬指導を実施しています!

・訪問薬剤(居宅療養)管理指導を行うためには
①薬局の届出、許可、指定を確認
②医療保険の訪問薬剤管理指導や介護保険の居宅療養管理指導を算定する(どちらもある方の場合、必ず介護保険が優先)ためには医師からの指示が必要→口頭指示も可だが、その場合は処方箋への記入や薬歴への記載等で指示を得た旨残すこと
③患者or代理人の同意or契約が必要
④患者が介護保険(保険者:市区町村、被保険者:40歳以上の介護が必要な方)の認定を受けているかどうか確認

・在宅訪問準備:実施のために必要な届け出
①医療保険→厚生局:在宅患者訪問薬剤管理指導に係る届出書
②介護保険→みなし指定のため届出不要(みなし指定を辞退している場合は介護事業所としての指定を受ける必要有)
③東京都福祉保健局:生活保護法・中国残留邦人等支援における指定介護機関の指定

・薬局内に必要な掲示物
①医療保険:在宅患者訪問薬剤管理指導に係る届出を行っている旨
②介護保険:運営規定の概要
③介護保険サービス提供事業者としての掲示

・患者との間に必要な書類
①医療保険:説明と同意(定型書面化しておくと良い)
②介護保険認定患者(居宅療養管理指導)
契約書
サービス提供に係る重要事項説明書(契約書内に盛り込んでしまえば不要だが、契約書が盛り沢山の内容になってしまうため、重要事項のみ抜粋した本書があるとbetter)
※共に2通ずつ作成し、患者or代理人と薬局が各1通ずつを所持

・報告書→医師やケアマネジャーへ報告
書式は様々(レセコンの機能、日本薬剤師会のフォーマット、薬局にて独自に作成、等)
患者・家族からの要望、薬剤師からみた患者の様子、次回以降の確認事項や提案等を盛り込み、指導内容を具体的簡潔に

・レセプト請求
①医療保険:主保険のレセプトに算定項目あり
②介護保険:紙、磁気(FD,CD-R,MO)媒体、オンライン(別途契約要電子証明書)
請求先→東京都国保連合会 介護福祉課
締切→翌月10日までに必着、それ以降は翌月受付扱い

・介護に関する相談口
市区町村役場の介護保険担当課(中野区では中野区役所介護保険分野)
→ただし、地域包括支援センター(中野区内に8カ所有)の方が詳しい(場合により患者宅に出向いての申請手続き手伝いも行っているとのこと)

精神科領域の副作用

@H30.8.28勉強会(吉富薬品)社内メモ

頭部・顔面

【頭部】頭頂部が熱い(共に手足の熱感):セロトニン症候群(初期症状)

【目】目が上を向く(眼球上転):ひどくなると首がねじれる<抗精神病薬>

【目】瞼が垂れ下がった感じ:眼瞼下垂

【目】目のかすみ、目の乾燥(ドライアイ):抗コリン作用

【顔面】顔面の引きつり:パーキンソニズム<抗精神病薬>

【顔面】仮面様(無表情でまばたきもしないなど)の表情:症状悪化or抗精神病薬

【口】口、舌、顎がモゴモゴする:ジスキネジア<抗精神病薬>

【口】舌の飛び出し:ジストニア<抗精神病薬>

【口】口が渇く(口渇):抗コリン作用

【口】よだれが出る:パーキンソニズム<抗精神病薬>

【口】話をしにくい(ろれつが回らない):過鎮静、ジストニア<抗精神病薬>

※薬の副作用ではなくても、他の原因で脳に何らかの障害がある可能性も。(例:脳梗塞<視界に変化、手にしびれ>)早めにDRへ。

手足

・ふるえ(振戦):パーキンソニズム<抗精神病薬>

・足のムズムズ:レストレスレッグス症候群、アカシジア<抗精神病薬>

・手のひら、足の裏が熱い:セロトニン症候群(初期症状)

・手足のつっぱり:ジストニア<抗精神病薬>

胸部・腹部(消化器系含)

・胸がドキドキする:抗うつ薬、抗精神病薬ではどれもQT延長リスクあり

・乳房肥大(男性でも)・女性化乳房・乳汁分泌・月経異常:<抗精神病薬>

・胃がムカムカする、吐き気、嘔吐:投与初期1週間程度が多い<SSRI/SNRI/抗精神病薬の一部>

・尿の出が悪い、残尿感がある:尿閉<抗コリン作用>

・便の回数が減る、便が硬い:便秘<抗コリン作用> 重篤になるとイレウス

・食欲の以上亢進、体重増加:<抗精神病薬/抗うつ薬(特にパロキセチン)>

・血糖値上昇:<非定型抗精神病薬>

身体全体

・ふらつきや運動抑制:過鎮静

・身体のこわばり、ねじれ(捻転)、傾き:ジストニア<抗精神病薬>

・身体の疲労感:過鎮静の可能性/長期服用→肝障害からくる疲労感の可能性 (肝機能値を確認)

・立ちくらみ:起立性低血圧

・動悸:向精神薬ではQT延長を起こしやすい薬が多い。心電図を確認。

・体にぶつぶつや発赤が出る

:薬疹<特にカルバマゼピン、バルプロ酸など>

「悪性症候群」「スティーブンス・ジョンソン候群」「中毒性表皮壊死融解症」などの

「重症薬疹」の初期症状の可能性もあり。

・月経異常<ドパミン遮断作用をもつ薬物>

・乳汁分泌<ドパミン遮断作用をもつ薬物>

・乳房肥大、女性化乳房<ドパミン遮断作用をもつ薬物>

・身体がむくむ:心臓や腎臓への影響によって浮腫が生じることがある。

気分、歩行状態、運動状態 ※気分の訴え→折り合いをつけながら継続

【気分】眠気:ヒスタミン受容体に作用する薬、薬剤による過鎮静

【気分】感情面の平坦化:過鎮静、薬剤性の陰性症状

【気分】焦燥感、不安:症状悪化、抗コリン薬、抗不安薬の離脱症状

【歩行/運動】動きが固まっている、鈍い:無動状態、動作緩慢 パーキンソニズム<抗精神病薬>

【歩行/運動】小刻み歩行、前屈歩行、身体が傾く:<抗精神病薬>

【歩行/運動】ソワソワしてイスに座っていられない:アカシジア=静座不能<抗精神病薬>

その他

・解熱鎮痛剤が効かない熱発:悪性症候群→風邪等と勘違いしやすい。死亡することもある。強制的に冷やす。

・水を過剰に飲む(多飲水)・水中毒:急な体重増加がないか確認、低Na血症、低Cl血症がないか血液検査。家族が気付きやすい。

・不眠:不眠のパターンを確認。(入眠障害/中途覚醒/早朝覚醒/熟眠障害)

  睡眠日誌を利用して実際の睡眠パターンを確認してもらうのも有効。

・記憶力や判断力が落ちる、会話にまとまりがない:認知障害<抗コリン薬>

・性機能障害:射精障害、持続勃起症、性欲亢進(起きていても訴えない場合も)

株式会社なごみ薬局は「次世代育成支援対策推進法」に基づき「一般事業主行動計画」を公表します。

一般事業主行動計画について新しくしました。
なごみ薬局は今後は以下のような方針で行くことを決めました。HPに掲載しています。
http://www.nagomipharmacy.co.jp/一般事業主行動計画/

以下、一般事業主行動計画の公表について

株式会社なごみ薬局は「次世代育成支援対策推進法」に基づき「一般事業主行動計画」を公表します。

次世代育成支援対策法とは

企業が、子育てをしている労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための雇用環境の整備や、子育てをしていない労働者も含めた多様な労働条件の整備などを行うため、または、女性労働者の活躍推進の取り組みを着実に前進させるために策定する計画です。

一般事業主行動計画とは

企業が、子育てをしている労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための雇用環境の整備や、子育てをしていない労働者も含めた多様な労働条件の整備などを行うために策定する計画です。

株式会社なごみ薬局 行動計画

社員が、会社での仕事と家庭や子育てを両立させることができ、社員全員が働きやすい環境をつくることにより、全ての社員がその能力を十分に発揮できるよう策定した行動計画です。

1.計画期間 平成30年1月1日~平成35年12月31日まで

2.計画内容

目標1:時間外労働短縮や、休みを取りやすい職場環境を目指す。(ただし、これは子育てをしているものなどに限るものではなく、全社員に対して行う)

対策①時間外労働の適正推進対策を実施

   事業所毎の適正配置や業務内容、業務分担、シフト等の改善

  ②カエル会議の実施

目標2:育児休業を取得しやすい環境の整備づくりを行う。

対策①育児休業期間中の代替要因の確保や業務内容の見直しを行う

   →経営状況を見ながら、採用は積極的に行っていく

  ②育児休業をしている労働者の継続的な情報提供、社内での飲み会やイベントごとには参加できるように声掛けを行っていく。

目標3:多様な労働条件の整備

対策①短時間制度の定着

12歳未満の子を養育する労働者に対する短時間勤務制度は既に導入しているが、この制度が継続できるようにシフトの見直しや改善、周囲からの協力や理解をしてもらえるよう周知を徹底していく。

対策②子どもの看病のための休暇について、時間単位で取得できるようにする。(1時間単位)

目標4:育児・介護休業法に基づく育児休業等、雇用保険法に基づく育児休業給付、労働基準法に基づく産前産後休業など諸制度の周知を行う。

対策①育児介護休業規定が各店舗に設置してあるため、いつでも見られる環境にしてあることを伝える。

対策②リーフレットを貼り、周知させる。

目標5:出産や子育てによる退職者についての再雇用制度の実施

対策①出産や子育てで一度退職してしまった者に対しても、雇用を検討していく。

以上になります。

なごみ通信 8月号


 先月は、熱中症についてご紹介しました。今後もまだ暑い日は続くようなので、元気に秋を迎えられるためにも、身体のケアをしながら、この暑さを一緒に乗り越えていきましょう。

 熱中症になる一番の原因は、大量の汗をかくこと。汗と一緒に体の中の水分だけでなく、ナトリウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルも失われることで体温を調節する機能がうまく働かなくなります。夏は特に、胃の消化機能が衰えているので、1度にたくさんの量を飲んでしまうと胃に負担がかかってしまうので、こまめに水分を少しずつ摂ることが大切です。

今回、オススメしたいものは日本の伝統食材である『梅』です。古くから「梅は三毒を断つ」(三毒:食・血・水の毒)と言われていて、重宝されてきました。梅には、疲労回復などに有効な成分(クエン酸、リンゴ酸、カルシウム、カリウム、ビタミンA・B1・B2・C etc)が多く含まれています。梅干しは日本の昔ながらの保存食です。最近では研究が進み、さまざまな効果が発見されています。量としては、1日1、2粒目安で摂ると良いと言われています。最近では減塩の梅干しも増えてきていますが、高血圧等で、塩分が気になる方は、梅肉エキスがおすすめです。

梅肉エキスは、すりおろした青梅をアクを取りながら、弱火で長時間じっくり煮詰めた濃縮エキスです。青梅1kgから20gくらいしかとれないエキスで、基本的に塩分が含まれていません。小さじ1杯をそのまま摂るか、もしくは、梅肉エキスドリンクとして摂ることもおすすめです。私は風邪予防、胃腸が弱っている時に摂るようにしています。このエキスはかなり酸っぱいですが、酸っぱいもの好きにはたまらない美味しさがあるので、ぜひ試しに摂ってみてください。

<梅肉エキスドリンク レシピ>

*梅肉エキス  小さじ1/2杯   *お湯  1杯分 *黒糖/きび糖/はちみつ お好みの量

梅肉エキスを少量のお湯と甘みとで一緒に練り合わせ、残りのお湯を注いで混ぜれば出来上がり♪

また、今年はクーラーが手放せなくなっているので、いつもより必要以上に身体が冷えている方も多いのではないかと思います。特に、首元や手首、足首は一番冷えが入りやすい部位なので、実際に触れてみて冷たくなっているようだったら、足首も覆うような靴下を履いたり、まわす体操をする、温めることで血流を良くしておきましょう。                

参考元:一般社団法人 梅研究会

担当 Y




薬局で接遇マナーやることになりました。

【書籍購入のお知らせ】

新入社員の入社に伴いマナー研修用として一冊の本を購入しました。

事務員用に一般的なものを考えましたが、やはり薬局は少し特殊な環境とも言えますので薬局に特化したものでこちらにしました。
基本的なことからイレギュラーな事態の対応方法までQ& A形式になっております。
ご興味のある方は是非どうぞ。

尚、本日、この本を用いてSさんに事務員新人お2人と実習生お2人にマナー研修をして頂く予定です。

患者さん対応のプロをめざす!
「選ばれる薬剤師」の接遇・マナー 村尾孝子
こちらを購入しました!

社員が自主的に接遇マナー勉強会を開いてくれています。

結局トラブルは些細なことから起こってしまいます、、社員を守るためにも接遇マナーはとても大事。

こころ配りができる人に、信頼と仕事が集まるし、感謝されるし、次の未来があるのだと思います。

自分こそやりたいです、、。

以下_社員からコメントいただきました。

私も読みまして、自分の対応が間違っていなかったなという確信、自信にもなりましたし、逆にハッとさせられる所もありましたのでベテランこそ一読の価値はあると思います^ ^

OTC:乾燥肌とスキンケア

【勉強会報告】

e-ラーニングにて「OTC:乾燥肌とスキンケア」を学びました。

医療用薬剤にも応用のきく部分があるかと思いますので、報告します。

乾燥肌・保湿ケアというと冬のイメージがありますが、紫外線が乾燥肌の原因になることもあり、夏も注意が必要です。

・乾燥肌の起こりやすい部位

前面:腕、腰、脛→汗や皮脂の分泌が少ない

後面:肩、太腿付け根、ふくらはぎの内側 等

→衣服とこすれやすい

・皮膚は表面から順に表皮→真皮→皮下組織からなるが、表皮にある4層のうち一番上の角質層は「潤いを保つ」「バリア機能」といった働きを有する

・角質層の構造

皮脂膜:水分の蒸発を防ぐ、刺激の軽減 等、天然のクリームの役割

角質細胞間脂質(主にセラミド):水分保持

角質細胞内の天然保湿因子(尿素 等):水分保持

・乾燥肌の原因

加齢:新陳代謝低下、皮脂分泌量低下(10〜2代で最大、乳幼児も少ない)

体質・遺伝:アトピー性皮膚炎 等のアレルギー体質

・乾燥肌が生じる皮膚疾患

①乾皮症:皮膚が乾燥し、白い粉をふいた状態→悪化すると、

皮脂欠乏性湿疹:湿疹、痒みがひどい

②貨幣状湿疹:コイン状の湿疹、強い痒み、ジクジク(湿潤)・かさぶた 等

・乾燥肌が生じる基礎疾患

糖尿病、腎臓病

・乾燥肌の対処法:スキンケア

①保湿剤の使用(水分の増加・保持)

症状が悪化する、湿疹があらわれた場合…

②ステロイド外用剤の一時的な使用

・薬剤選択上の注意

尿素:目のまわり、粘膜、ひびわれ、ただれ、赤く腫れている部位には使用しない

ヘパリン類似物質:出血性血液疾患のある人(血友病、血小板減少症、紫斑病)、わずかな出血でも重大な結果を来すことが予想される人

・ステロイド外用剤

strongert,very strong,strong,mild,weakの5段階中、OTCはstrong,mild,weakの3ランクのみ

皮膚の弱い人(高齢者、乳幼児)や顔面への使用はmild,weak

・ステロイドの禁忌

細菌,真菌,ウイルス性の皮膚感染症および動物寄生性皮膚疾患の人

緑内障,白内障の人→長期・大量の使用で眼圧が上昇することがあるため、そのような使用法とならないように、という意図の様子

潰瘍のある熱傷,凍傷の人

※妊娠中・授乳中の人:大量使用,長期間,広範囲の使用は安全性が確立していないため、使用は避けること

・剤形の種類と特徴

軟膏:刺激が少ない、油脂の含有量が多い(感想が強い人にgood)

ベタつきがある

クリーム:使用感がよい、浸透性がよい

刺激性がある

ローション・乳液:有毛部位や広範囲に使用、顔などの皮膚の薄い部位

※夏場はローション・乳液、晩秋〜冬は軟膏、クリームはオールシーズン 等季節で使い分けるのもよい

・保湿剤の使用法

1日数回、擦り込まないように広範囲に・体のシワに沿って塗る

軟膏・クリーム:人差し指の第一関節までの量

乳液・ローション:1円玉大

→これらがいずれも掌2枚分

入浴後5〜10分以内に塗布(その前に水や化粧水をつけておくとなおよい)

・ステロイド塗布時の注意点

上記の目安量を、擦り込まず薄く塗る

広範囲に大量に塗らない

5〜6日間を使用期間の目安とする

顔面への使用は5g/日以内とし、かつ1週間以上使用しない

目のまわりへの使用は避ける

・重大な副作用

リドカイン(局所麻酔成分)入りの場合、ショック症状(発赤,悪心,息苦しさ,冷や汗,めまい 等)出現の恐れあり→出現したら医療機関を受診

・尿素・ヘパリン類似物質の主な副作用

かゆみ,発疹・発赤,かぶれ,腫れ,刺激感(痛みやピリピリ感),皮膚がはがれる

特に尿素製剤は、使用直後 一時的にしみることがある

・ステロイド外用剤の主な副作用

発疹・発赤,かゆみ,白癬症,にきび,化膿,持続的な刺激感,皮膚萎縮,多毛

・スキンケア

毎日入浴

38〜40℃の湯

木綿の柔らかいタオルや手で体を洗う

弱酸性の石鹸を使用

入浴剤の使用に注意する(タンパク分解酵素やイオウ 等好ましくない成分を含有している場合があるため)

・生活指導

肌着は木綿や刺激の少ない素材のものを

アトピー性皮膚炎の場合柔軟剤を避ける

・乾燥肌を防ぐ食事

ビタミンA・Eを積極的に摂取→レバー,うなぎ,緑黄色野菜,豆類

かゆみがある場合は香辛料や刺激の強い食事を避ける