前々回はヨーロッパと北米、前回はイスラム圏について紹介させていただきました。
今回はいよいよ最終回、中南米です。
キューバでは 街の景観保護のためか、社会主義故か、国の方針で首都ハバナの旧市街中に大きな看板はなく、薬局に限らず各店基本看板が出ていませんでした。
よって、薬局に気づけず、残念ながら写真がないのですが、乗り継ぎで利用したメキシコの空港より1枚。
Farmacia(ファルマスィア)はスペイン語で「薬局」(sは恐らく複数形)。
中南米では殆どの国がスペイン語を公用語としています。
電光看板の上半分、緑色の広告に「ASPIRINA」とありますが、日本でも市販薬として扱われている解熱鎮痛薬のアスピリンです。
日本では同成分薬の「バファリン」の認知度が高いですね。
次はブラジル。
ブラジルは南米において珍しく非スペイン語国であり、公用語はポルトガル語です。
看板の「farmácia」(ファルマシィア)がポルトガル語で「薬局」。
ブラジルはプロポリス(蜂ヤニ)の産地で、ドラッグストアの棚にはプロポリス製品がたくさん…
日本ではのど飴やサプリメントのイメージが強かったのですが、ブラジルでは喉に直接噴霧するスプレーも多数販売されており、他にも日焼け止めや化粧品としても用いられているようです。
レジ前はこの様な感じで、市販の内服薬の箱が陳列されていました。
それにしても、他国の薬、しかも英語でもないとなると、さっぱり分かりません…
とある地方の町にて、朝で開店前のためシャッターが閉まっていますが、看板からすると、両サイドの2軒が薬局。
ヒュギエイアの杯マークを載せた看板もありました。
帰りの空港で見かけた表示。
アスクレピオスの杖が見えることから、恐らく救護所関係かなと予想がつきます。
英語表記を直訳すると健康監視所なので、やはり医療関係ですね。
これも空港内にて、薬局店頭で一押しされていたタイレノール。
「空腹時にも服用できて効果のある頭痛薬」として、日本でも販売されています。
次はペルーより。
入口左脇の看板に、BOTICAの横にDRUGSTOREと併記されていますね。
また、入口上の看板には、ヒュギエイアの杯マークも見えます。
BOTICA(ボティカ)はスペイン語で「薬局」。
FARMACIAとBOTICAの違い、単語としての使い分けについては検索しても詳細情報がないのですが、恐らくFARMACIAは薬剤師がいて調剤をしている薬局、日本で言ういわゆる保険調剤薬局としての機能がある店舗、BOTICAは保険調剤機能のないいわゆるドラッグストア的な店舗かと思われます。
お次はボリビア。観光地としてウユニ塩湖が人気の国。
これは首都ラパスのロープウェーの駅にあった薬局。
看板中央のマークの色が、国旗の3色だなぁと。
地方都市の薬局を2枚続けて。
看板に、アスクレピオスの杖マークや、ヒュギエイアの杯マークがありますね。
擬人化されたカプセルが歩いている、かわいい看板もありました。
最後に、アジア圏(はあまり旅行していないため、シリーズとしての写真はありません)の話になるので余談ですが、シンガポールの空港で見かけたものについて小話を1つ。
なごみ薬局でも扱っているエンシュア・リキッドという栄養剤は、処方箋をもとに調剤する缶入りの液体で、1本250mLなので 本数が多いと重くて持ち帰りに大変だろうなと思うのですが、「海外では粉末タイプがある」という話を聞いたことがありました。
昨年シンガポールに行った際、空港内の薬局でエンシュアの粉末タイプを見かけました。
自分で溶解して調製する手間はあるにしても、液体タイプよりも軽くて長持ちするでしょうから、便利だなぁと思いました。
いかがでしたか?
世界の薬局、共通点や違いがあり、移動中の車窓から眺めているだけでも結構面白いですよ。
皆さんも、海外旅行の際は、車窓から、あるいは街歩き中に、そして空港での待ち時間に、ぜひ薬局を見てみてください。