メディカルアロマ 精油を用いた風邪予防・対策について

今回は、これからの季節に向け、精油を用いた風邪予防・対策について報告します。
前回同様、NARD(ナードアロマテラピー協会)に準じた内容であり、NARDが定める条件を満たす精油(※)を用いた場合に限ります。
ちなみに、精油は医薬品ではなく、「効果がある」と表現することができないため、一般的には「作用がある」「有用」等の表現を使います。
※NARDが定める精油の4つの条件
①芳香植物から水蒸気蒸留法または圧搾法で抽出した芳香分子の集合体で、採油後に成分の添加や除去が一切行われていないもの。(ただし、ジャスミンとベンゾインはこの条件から外す。)また、採油国・採油時期・消費期限が印字されていること。
②化学的に検証を行い、分類した、ケモタイプ精油(ケモタイプ:形態的に全く同一で成分だけが異なる植物)であること。→植物学名が記載されている。
③日本国内で精油の分析を行い、そのデータを公開し、ロットごとの成分分析結果が確認できること。→芳香成分、屈折率、旋光度等の情報が記載された分析表(添付画像①)が添付されている。
④残留農薬について、検査していること。
風邪やインフルエンザというと、よく使われる精油は、ティートゥリー、ラヴィンツァラ、ユーカリ・ラディアタ(他にも様々あるが、今回はこの3種を紹介)。
それぞれの使い分けについてみていく前に、芳香成分類を電子座標で表したもの(添付画像②)を見ておくと理解の補助になる。
絶対ではなく例外もあるが、精油成分がもつ作用の概ねの傾向を把握することができる。
座標の上側は(-)に帯電した成分類で、鎮静作用のあるものが多い。→場合によっては日中使いが困難。
下側は(+)に帯電した成分類で、強壮作用を示すものが多い。→場合によっては夜には使いにくい。
左側は極性のあるもの(湿:有機化合物のうち、Oをもった親水性のもの)が多い。→肌なじみが良い。乾燥肌には保湿にもなる。
右側は無極性のもの(乾:CやHばかりからなり、疎水性、親油性)が多い。→肌にぴりっとくる可能性があり、植物油やジェルなどで十分に希釈する必要がある。むくみとりに良い。
一般的に、座標系の左下に属するもの(フェノールを含め、アルコール類)に抗菌活性が強い。確かに、「アルコールといえば消毒剤」というイメージはある。
中央下部にある酸化物類は、免疫調整・去痰作用があることから、感冒の予防・改善に使用される。
ツンとした香りのものが多く、元気付け的な印象(イメージとしては強壮、よって下部)。
それぞれの「~類」というのは母集団であり、その中にそれぞれ固有成分(例えばα-ピネン←モノテルぺン炭化水素類中の一成分、森林の香りと言われている)がたくさんある。
ちなみに、以前(3/2の投稿) 体質診断(50問に回答し、自分の体質を知る)について紹介した際、この電子座標系と体質分類座標(添付画像③)が重なり、体質の偏りを補うために、対角線上の分類に属する精油(添付画像④)を用いるとよいという話があったため、座標系に見覚えのある方もいらっしゃるかも?

●ティートゥリー(Melaleuca alternifolia フトモモ科、葉)
主な含有成分は、
モノテルペン炭化水素類:抗ウイルス作用(+++)、抗菌作用(++)
約46%(γ-テルピネン、α-テルピネン等)
モノテルペンアルコール類:抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用、免疫調整作用(+++)
約43%(テルピネン-4-オール)
(※%はLot.ごとに変動する)
抗菌作用があり、様々な感染症の予防に効果的。
自生地オーストラリアの原住民であるアボリジニが、健康に欠かせない精油として昔から利用してきた。
モノテルペン炭化水素類という、精油成分の中では一番基本のもの(有機化合物として分子量が比較的小さい)の含有率が高く、分子量が小さい=空気中に漂いやすいため、皮膚塗布でなくても、ディフューズ(空気中への散布)でも有用。

●ラヴィンツァラ(Cinnamomum camphora CT(Cineole) クスノキ科、葉付き小枝)
※CT=ケモタイプ よって、上記は「シネオール成分が多いタイプ」の意味
主な含有成分は、
酸化物類:去痰・抗カタル(※)・抗ウイルス・免疫調整作用(+++)、抗菌作用(++)
約56%(1,8シネオール)
モノテルペン炭化水素類:抗ウイルス作用(+++)、抗菌作用(++)
約30%(α-ピネン、β-ピネン等)
モノテルペンアルコール類:抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用、免疫調整作用(+++)
約10%(α-テルピネオール等)
※抗カタル作用:体内の過剰になった粘膜(特に鼻や咽頭など→痰、鼻水、鼻づまり)を
粘液溶解・排出させる作用
ラヴィンツァラには誘眠作用がある(座標系ではモノテルペン炭化水素類もモノテルペンアルコール類も下部にあるため、鎮静より強壮系のはず…?と、こういうところが例外)
ため、日中使いは避けたい。眠前使用向き(不眠対策にも使われる精油)。
植物油等で希釈しての皮膚塗布、ディフューズいずれもOK。
本精油は抗ウイルス作用と、特に免疫刺激作用が強いため、風邪をひきたくない時、つまり予防(インフルエンザも含め)に向いている。
更に、抗カタル作用は酸化物類にしかなく、実際に症状が出ている時の使用(回復に向けて)にも向いている。
禁忌・注意事項なし。

●ユーカリ・ラディアタ(Eucalyptus radiate ssp. Radiate フトモモ科、葉)
※ssp.=亜種
主な含有成分は、
酸化物類:去痰・抗カタル・抗ウイルス・免疫調整作用(+++)、抗菌作用(++)
約70%(1,8シネオール)
モノテルペン炭化水素類:抗ウイルス作用(+++)、抗菌作用(++)
約15%(リモネン等)
モノテルペンアルコール類:抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用、免疫調整作用(+++)
約10%(α-テルピネオール等)
ちなみに、コアラが食べているユーカリとは異なる品種。
酸化物類の比率が高く、抗カタル・去痰作用に特に優れることから、風邪をひいたりインフルエンザにかかったりして症状が続き、苦しい時向き(もちろん予防にも使えるが)。
痰のからまる咳を鎮める作用もある。
植物油等で希釈しての皮膚塗布、ディフューズいずれもOK。
禁忌・注意事項なし。
つまり、予防:ティートゥリー → 症状出始めの眠前:ラヴィンツァラ → 症状が続く時:ユーカリ・ラディアタ と使い分ける。
鼻づまりのある時には、抗カタル作用のある成分を含む精油をマスクの内側に塗布して使うとよい。
もちろん、絶対にこの使い分けをしないといけないわけではないが、抗生剤と同じように、同じ精油を長期使用継続することで耐性菌が出る可能性もあるため、1つ1つが長期化しないように使い分けることが推奨される。
また、これは医療機関に受診する前のセルフケアの話であり、医薬品でないとできないこともあるため、症状が重く・つらくなる前に医療機関を受診することが望まれる。
画像①:分析表               画像②:芳香成分類 電子座標系

画像③:体質分類座標         画像④:座標上の精油の分類
※④について、ほぼ単一の成分のみの精油もあれば、複数種の「~類」で構成され、かつそれぞれの類の中に更に複数種の成分をもつ精油もあるため、後者では座標上の分類が難しくなる。その場合、含有比率の大きい類が属する座標上の位置で記載されている。

《8月度分プレアボイド報告》

●西荻店より3件
①ピーエイ配合錠が処方された方のお薬手帳を確認したところ、トラバタンズ点眼液を使用中であることが判明。
ピーエイ配合錠は緑内障のタイプに関わらず禁忌であるため、患者の希望もあり 処方医へ問い合わせ。
→ピーエイは処方削除となった。

②継続処方中何点か変更があり、そのうちの1つとして リリカ75mg 1C/1×朝食後 の処方がなかったため、患者へ確認。
医師は50mgに減量すると言っていた、との返答。
また、お薬説明中に「ナトリックスは冬しか飲んでいない。実際 夏に飲んでみたら血圧が下がってしまった。家にいっぱい残っている。」とのこと。
→処方医へ確認し、リリカ25mg 2C/1×朝食後 追加、ナトリックスは削除となった。

③継続処方中何点か変更があった方。
いつもは14日分、前回は21日分だったが、今回は14日分であり、変更があったことで 状態確認のため早めの再診になったものと思い、投薬説明時に「次回は2週間後なんですね」とお話ししたところ、再診予約は2週間後ではなく、約3週間後であることが判明。
→当初「しかたがないので予定より早めに一旦予約を取り直します」とおっしゃっていたが、2週間毎の受診がきついため、前回から3週間おきになったとの発言もあったため、処方日数変更について提案。
本人も希望されたため、処方医へ問い合わせし、19日分(再診日朝分までぴったり)に変更となった。

●本店より4件
①アドエア500ディスカス 1日2回 1回2吸入 で処方。
本剤は通常1回1吸入であり、添付文書上 適宜増減の記載もないため、処方医へ問い合わせ。
→入力ミスだったそうで、1回1吸入に変更となった。

②施設担当医よりトーワチーム処方。
他医療機関より処方のハルナールDを長期継続中であり、下部尿路閉塞のある患者はトーワチームの禁忌に該当する。
過去の日経DIより「必要があれば、ハルナール服用中の患者にPL配合顆粒(トーワチームは本剤の後発品)が処方される場合もある」との情報があったが、禁忌に該当することから疑義照会は必要であり、処方医へ問い合わせ。
→感冒症状は軽度とのことで、トーワチームは削除となった。(同時に処方されていた抗生剤と解熱鎮痛薬はそのまま調剤)
●まずはハルナール処方医へ閉塞状況(トーワチーム服用可能かどうか)を確認しようとしたところ、時間外にて連絡がつかず、それも含めて施設担当医へ報告したところ、翌日再トライ(ハルナール処方医への確認)は不要との指示を受けました。

③レボフロキサシン細粒 1日1回 昼食後で処方。
元々定期は朝・昼食後のみにまとまっている方(粉砕対応レベルの嚥下能の方であり、比較的覚醒のよい時間帯に服用薬をまとめ、1日の後半には服薬なし)。
定期で昼に鉄剤を服用中であり、同時服用ではキレート形成により両剤共吸収低下が懸念されたため、処方医へ報告・レボフロキサシン朝食後での服用を提案。
→レボフロキサシンは朝食後に変更となった。

④オルメテック、ザイロリック、リルマザホンを1日1回 朝食後で処方。
他県から転居されてきてから初めての受診だった方。
お薬手帳上、転居前の処方は夕食後だったため、服用時点の変更について医師から何か話があったかどうか本人へ確認したところ、「特になかった。夕の方が慣れていて飲み忘れがなくてすむのだけど。自分の場合 血圧の薬は夕の方があっていると 以前の先生が言っていた。」とのことで、処方医へ報告・確認。
→以前までと同じ服用法で とのことで、夕食後に変更となった。

※緑内障禁忌の件やアドエア500の件はこれまでに何度かあがっているため、遭遇し易いパターンかと思われます。
アドエア500が新規処方された時、緑内障患者に眼科以外から新規薬剤が処方された時は、特に注意して対応したいですね。

メディカルアロマ

社内で共有されているものを一部共有いたします。

 

 

現在定期的にメディカルアロマの講義を受けているため、講義内容を概論として報告させていただきます。

後半部分は少しばかり医薬品とからめた内容にしてみましたので、お時間のある時にご一読いただければと思います。

アロマに関しては複数の協会が存在し、それぞれに定義や使用に関する制限が異なります。

この報告は基本的にNARD JAPAN(NARD:Natural Aromatherapy Research and Development/NARDの代表は薬学博士です)に則した内容です。

 

<アロマテラピーとは>

植物精油植物油ハーブウォーターを用いた、健康管理法及び療法

 

※イギリスでは主に美容やリラクゼーションを中心に、精油を植物油などで低濃度に希釈し、トリートメント用オイルとして使用。

フランスでは医療や治療に、1%程度~高濃度まで、皮膚塗布や経口摂取、坐薬、吸入などの方法で使用。

 

<精油とは>

芳香植物から抽出した芳香分子の集合体

 

<アロマテラピーで用いる精油の条件>

~NARD JAPANの条件に合致するケモタイプ精油~

1 植物名(学名)採油方法採油部位が明らかであること。

2 芳香成分残留農薬屈折率比重旋光度について、ロットごとに国内で分析・検査され、結果に問題のないことが確認されており、その結果を公開しているもの。

3 成分の添加や除去を一切行っていない精油を使用。

※つまり、科学的に検証されたものであり、必ず「ケモタイプ精油成分分析表」が添付された状態で販売されている。医薬品に添付文書があるようなもの。

成分の添加や除去を一切行っていないからこそ、原料が自然のものである影響から、同じ精油でもLotにより記載されている数値が若干異なる。

 

<採油方法>

1 水蒸気蒸留法 ← 多くはこの方法

2 圧搾法 ←柑橘系の果皮からはこの方法がメイン

3 その他の抽出方法(有機溶剤) ← Ex.)ジャスミン

 

<精油の物理的特徴>

芳香性

高濃度揮発性:放置しておくと蒸散する

親油性:原則として油に溶ける(水には溶けにくい)

比重が軽い:原則として比重が1以下

有機化合物である(C=炭素 を含むもの)

常温で液体である

 

<抽出部位>

同じ植物でも、抽出部位により異なる精油が採油される

Ex.) Citrus aurantium ssp.amara←ミカン科の植物「オレンジ・ビター」

花から:ネロリ ←甘く優雅な香り

果皮から:オレンジ・ビター ←甘さの中にも苦味を感じられる深い香り

葉から:プチグレン ← フレッシュで爽やかな香り

 

<精油の保管>

・直射日光の当たる場所を避け、風通しの良い冷暗所に保管する

遮光性のあるガラス瓶に入れ、立てて保管する(プラスチックを溶かすため)

・使用後はしっかりと蓋を閉める(揮発性があるため)

・火のそばに置かない(引火性があるため)

・子供やペットの手の届かない場所に保管する

・消費期限内に使用し、開封後は使用期限にかかわらず早めに使い切る

※開封後の使用期限目安

柑橘系果皮の圧搾:半年、その他:1年

 

<香りが体に与える影響>

・嗅覚から脳を通して:大脳辺縁系(大脳の内側に存在し、食欲や性欲等本能的な活動を担う)に直接伝わる

・皮膚塗布によって、局所・全身に:浸透(表皮中の角質層に浸み込むこと)だけにとどまらず、吸収(皮膚表面から真皮まで入っていくこと)される

→血管に入る:一般的に分子量500以下

※一般的に化粧品(薬用化粧品を除く)の浸透は角質層(表皮)までとされているため、基礎化粧品でどうこうしようとするよりは、皮膚収斂作用のある精油をスキンケアに用いた方が効果的とされる考え方がある。

 

<濃度計算>

1滴 約0.05mL

・10%未満の場合:全量5mLでは、精油濃度を1%にするには、1滴必要

・10%以上の場合:全量5mLでは、精油濃度10%にするには、10滴必要

→溶媒は4.5mL使用

※もちろん、溶液の種類(粘度)によって1滴量は異なるが、おおよそ1滴0.05mLと知っておくと、医薬品への考え方応用が可能。5mL瓶で約100滴ということ。

Ex.)チモプトール(5mL/本):1日2回 → 両眼への使用なら、1本約25日分

キサラタン(2.5mL/本):1日1回 → 同上

 

<キャリアオイル(ベースオイル)の目的>

1 精油を希釈して、作用を穏やかにする

2 精油の揮発を抑え、持続性を高める

3 キャリアオイルそのものが持つ効果を利用する

Ex.)ローズヒップ油(抗炎症作用を期待して、アトピー肌に使用)

セントジョンズワート油(鎮静・抗炎症作用を期待して、日焼けの改善に使用)

 

<主な精油>精油名:主成分名

・シナモン・カッシア:ケイ皮アルデヒド→加温作用、強い抗菌作用

※ケイ皮アルデヒドについて、薬学部の生薬の授業で「生八つ橋のニッキの匂い」と

教わっているのでは?(シナモンとニッキは産地や使用部位が異なるようだが、香りのイメージとしては似ている)

・カモマイル・ジャーマン:カマズレン→抗炎症作用

※カマズレンはアズレン誘導体。とすると、アズノールうがい液・アズノール錠・咳嗽用ハチアズレ顆粒(アズレンスルホン酸ナトリウム水和物)やアズノール軟膏(ジメチルイソプロピルアズレン)と同じく抗炎症作用があること、青色であることに納得。

・ウィンター・グリーン:サリチル酸メチル→鎮痛・抗炎症作用

※サリチル酸メチルは、医療用のMS冷シップ・温シップや、市販薬でもサロンパスに含有される成分。台湾土産の定番「グリーンオイル」にも入っている。

・クローブ:オイゲノール→鎮痛・麻酔作用

※チョウジ(クローブの和名)から抽出されるオイゲノールは、恐らく薬学部の生薬の授業で「歯医者の匂い」と習ったのでは?

・ユーカリ・レモン:シトロネラール→昆虫忌避作用(蚊)

※本店にある虫よけスプレーの裏面表記をご覧ください。「シトロネラ」とあります。

「シトロネラ」精油の主成分もシトロネラール。

・フランキンセンス(キリスト生誕時に東方の三賢者が持参した供物の1つ:乳香)

・ミルラ(同上:没薬→ミイラ作りに使用された防腐剤)

 

<禁忌、注意事項>

・光毒性(フロクマリン類の成分を含有する精油):レモン、ベルガモット等

※化粧水や美容オイルとして体に塗布する場合はもちろん、ルームスプレーとしてカーテンにスプレーする場合も、使用時間帯に注意。

医薬品ではモーラステープ(ケトプロフェン)で光線過敏症が知られている。

・堕胎作用(流産惹起作用):ペパーミント、ラベンダー・スピカ等(ラベンダー・アングスティフォリアには禁忌なし)

・エストロゲン様作用(ホルモン依存型癌疾患、乳腺症等に×):クラリーセージ

・アスピリンアレルギーの人:ウィンターグリーン

※サリチル酸メチルを多く含むため。

アスピリンは別名「アセチルサリチル酸」であり、アセチルサリチル酸もサリチル酸メチルも、共にサリチル酸から合成される。つまり骨格が似ている。

・要希釈:クローブ(主成分オイゲノールはフェノール類であり、皮膚を荒らす危険等があるため)

《7月度分プレアボイド報告》

本店より5件
①タケルダ 1T/1×朝食後 服用中の方にネキシウム20mg 1C/1×夕食後 新規処方。
タケルダはアスピリン100mg+ランソプラゾール15mgで 既にPPIが入っているため、処方医へ問い合わせ。
→タケルダはバイアスピリンに変更となった。(また その際ネキシウムはタケキャブ20mgに変更指示あり。当日はタケルダ服用済みにて、バイアスピリンとタケキャブは翌日から開始するよう患者様へ説明。)
●合剤は配合成分に注意が必要で、類似薬重複の他、同成分重複による上限量超え(例えば ユニシアとアムロジピン単剤、メタクトとメトホルミン単剤 等)にも気をつけなければなりませんね。

②いつもの腎代謝科定期処方に臨時処方PL配合顆粒が追加されていた。
緑内障治療のため眼科通院中の方であり、処方医へ確認。
→受け取り来局されていたご家族曰く、症状はあまり強くないとのことだったため その旨医師へお伝えしたところ、薬剤変更ではなく処方削除となった。
●以前 眼科で初めてダイアモックス錠が処方された際、通常量ではあったが、腎代謝科を定期通院中だったことから問い合わせとなり、減量となった方です。

③6歳児に カロナール50%細粒 1回1g(成分量として500mg)/疼痛時 処方。
体重21kgとのことで、小児では通常10〜15mg/回(20kgで200〜300mg)であることを考慮すると、添付文書上 適宜増減の言葉はあるものの、20%細粒の可能性が考えられたため 問い合わせ。
→20%細粒に変更となった(指示量は1gで変わらず→成分量は200mg)。

④前回手持ちの3種(ミカルディス80mg 1T/1×朝食後、メトホルミン250mg 2T/2×朝夕食後、グリメピリド1mg 2T/1×朝食後)も一緒に分包した方。
今回手持ちはなく、処方箋中にミカルディスとメトホルミンがなかったため本人へ確認したところ、「血糖を下げる薬は変えて 朝だけにまとめると言っていたけれど、そういえば血圧のことは先生何も言っていなかった」(確かにメトホルミンがないかわりに 朝食後のジャディアンスが10→25mgへ増量となっていた)とのことだったため、処方医へ問い合わせ。
→ミカルディス処方追加となった
(その際メトホルミン中止、ジャディアンス増量についても念のため確認した)。
●前回指導記録に、手持ち薬3種も一緒に分包した旨きちんと入力されており、分包機でもその履歴があったため気づいた例です。
もしも 分包も鑑査も終わり、投薬直前に履歴を見てor投薬中患者様との会話で気づいた場合、更にお待たせしてしまうため、分包という時間を要する方の場合は特に注意が必要だと感じました。

⑤脳外科からの継続薬処方箋について、いつも屯用下剤(センノシドorピコスルファート内用液、あるいはその両方)も一緒に出ていたが、今回は定時服用薬の1種のみだったため、手持ちが十分であるか またはあまり使用していないのか、付き添いの介護者へ確認。
特にそのどちらでもなく、次回受診まで2ヶ月以上あくことから、むしろ前回(35日分に対しセンノシド10回分、ピコスルファート1本)の倍程度欲しい旨返答があったため、処方元へ問い合わせ。
→センノシド20回分、ピコスルファート2本処方追加となった。
●以前から何度か、循環器と脳外で処方重複(循環器の方が受診日が先行しているため、いつも脳外処方時にバイアスピリン等数種重複について問い合わせ後削除となっている)していた方であり、今回その重複はなかったものの、屯用下剤も一緒に削除された可能性も考えられたことから、声かけ確認→問い合わせとなりました。

第6回アイケアユーCafe 〜介護職の元気を取りもどさナイト!〜

(定員に達したため受付を停止しております、キャンセル待ちをされる方はコメントを残して下さい。順番にご案内させていただきます、ご迷惑おかけいたします)

今回のアイケアユーCafeは「介護職の元気」をテーマに開催いたします。
みなさん、元気ですかーっ!!笑
日々、在宅医療介護の現場でコワーカーとして働いていると、本当に自分は役に立っているのか?多職種として連携できているのだろうか?不安になることもあります。ルーチンワークになりがちで、自分を見失うこともあります。

そこで、第6回アイケアユーCafeは、介護職の元気を取り戻すべく、「アントニオ猪木」をテーマに、、ではなく「介護職の元気」をテーマに対話を通して学べる場をご用意いたしました。
なぜ、介護職も医療職も元気がなくなる時があるのでしょうか。職場環境のせい?リーダのせい?教育のせい?たまたま運が悪かったから?
幸せを分け与えられるような介護医療を持続するために、心身ともに余裕を持って、充実した時間を取り戻もどさないとです!
本当に素敵な人は、忙しいを言い訳にしないですし、やりたいことや志をしっかり立てて、前を歩いています。
ワクワク、強みを活かして、社会貢献できる人になるには、どうしたらよいか。
話題提供として、今回のゲスト「高瀬 比左子」さんの活動をご紹介いただきながら、対話を通して、「元気」の本質に迫っていく1時間半にしたいと思っています。

誰でも参加できるイベントです。患者さん、ご家族、介護士、ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、医師、薬剤師、看護師、大学、経営のスペシャリスト、そしてテクノロジー企業がつながることで、どんな職業でも元気を取り戻すことができるはずです!!
今回生まれるアイデア(元気)を持ち帰り発信することで、企業や町の事業所が連携するきっかけになればと思っております。

7月にオープンしたばかりの新なごみ薬局「上高田店」で、患者さんに同じ想いで向き合おうとする素敵な仲間と「対話」を通して、気づき(元気)を持ち帰れるよう企画いたしました。
学ぶのに年齢は関係ありませんし、立場や職種を捨てて、つながることが大切です。1人で解決できないことはみんなで解決すればよいと思います。
元気があれば、なんでもできる!!
みなさまのご参加、お待ちしております。

■日時 7月26日(水)19:00-20:30
開場へは18:30よりお入りいただけます。

■場所 なごみ薬局 上高田店(新店舗です!)
東京都中野区上高田1-8-13 東中野駅より徒歩10分 落合駅より徒歩9分

■定員 20名
定員になりしだい締め切らせていただきます。

■参加費 有料・1人500円 (ドリンク・スイーツ付き)
どなたでも参加可能です。

■お申込み方法
イベントページの「参加する」を押して下さい。

※お申込み後、キャンセルされる方は3日前までにイベントページのコメント、またはメッセージにてご連絡をお願いします。※FBをされていないお友達を連れていらっしゃる場合は、その方の氏名、連絡先メール、所属などを記載の上、メッセージまたは、メールにてご連絡下さい。Mail: shohousennagomi@gmail.com

■ゲスト紹介
高瀬 比左子(たかせ ひさこ)さん
「未来をつくるkaigoカフェ」代表。 介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員。
大学卒業後、一般企業へ就職。「もっと人の役に立つ仕事がしたい」という思いが募る中、介護の道へ。2012年ケアマネジャーとして働きながら「未来をつくるKaigoカフェ」を主宰。
「未来をつくるkaigoカフェ」
2012年に高瀬さんが始めた「カフェ」の活動は口コミで広がり、介護関係者のみならず多職種、他業種を交えた活動には、これまで延べ4000人以上が参加。小中高への出張カフェ、一般企業や専門学校でのキャリアアップ勉強会や講演、コラボレーション企画の提案やカフェ型の対話の場づくり、勉強会の設立支援も行っている。

■主催者紹介
コーディネーター 渡邊 輝
昭和薬科大学卒業
順天堂大学医学部附属病院 薬剤部 勤務
株式会社 なごみ薬局 代表取締役
株式会社 SENSECARE 代表取締役(平成28年度創業・第二創業促進補助金採択事業)
なごみ薬局 上高田店管理薬剤師 実務実習認定指導薬剤師
薬剤師、ケアマネジャー、Fullstack Ruby Engineer、経営学修士(MBA)
2017/2/6 内閣府 地方創生推進室主催のハッカソン 最優秀賞
小池百合子政経塾 希望の塾 第一期生
早稲田大学 eコマースのためのA.I.活用研究コンソーシアム メンバー
グロービスベンチャーチャレンジ2016 ファイナリスト

ファシリテーター 和泉裕之
和泉ワークショップデザイン事務所 代表
NPO法人Educe Technologies「FLEDGE(フレッジ)」チーフディレクター
看護師/保健師

日本赤十字看護大学を卒業し、看護師と保健師の国家資格を取得。同時に在学中から学習環境デザインについて学び、卒業後フリーのワークショップデザイナーとして活動。行政,大学,企業,NPOなど多様なフィールドでのワークショップデザイン経験を積んだ後、現在は多職種連携を目的とした病院内ワークショップやコミュニティーデザインを複数手がける。
http://izumi-ws.com/

■アイケアユーCaféについて
一人一人が最期まで心から元気に笑顔で、長生きしてよかったと思える世界を作りたい。
そのために多職種みんなで集まり、悩みや知恵を出し合い、発信し地域を活性化させることを目的としたCafeを月1回開くことにいたしました。
もし新しい知見が創造できれば、本にしたり在宅医療学会で発表などを考えています。小さな薬局のささやかなイベントです。どなたでも参加できるイベントです。私たちと一緒に未来を考えてみませんか?

「GE使用率」について

ざっくりとした なんとなくの知識しかなかったため、今回GE使用率とは、ということを調べてみました。
自分の知識の定着のためにアウトプットしつつ、せっかく調べたことなので社員間で情報共有できたらと思い、投稿します。
既にご存知の方々もいらっしゃるかとは思いますが&長文ですみませんが、お時間あるときに目を通していただけたら幸いです。
(※2017.7.10時点で投稿)

●加算
「調剤基本料の加算」における「後発医薬品調剤体制加算」について、本店では規格単位数に占める割合(施設基準として、過去3か月の医薬品の調剤数量のうち、後発医薬品の調剤数量の割合)が「65%以上」に該当することから、「後発医薬品調剤体制加算1」=18点を算定している。
ちなみに西荻店では75%以上であるため、「後発医薬品調剤体制加算2」=22点を算定。

●国の目標、過去の変更
厚労省が掲げる後発医薬品の普及率目標(2016年度末までの目標が「60%以上」だった)
:2017年中頃までに70%以上、2018年度~2020年度末までのなるべく早い時期に80%以上
2015年度まで「55%以上」=18点、「65%以上」=22点だったが、2016年度の診療報酬改定により、点数は据え置きで%が引き上げられている。
→今後も同様に、点数据え置きでの%のみ引き上げ ということがあるかもしれない。
診療報酬改定は2年に一度行われており(次は2018年度)、改定の度に条件が厳しくなることが予想される。

●「後発医薬品の数量シェア(置換え率)」の計算方法
後発医薬品の数量シェア(置換え率)
=【後発医薬品の数量】/(【後発医薬品のある先発医薬品の数量】+【後発医薬品の数量】)
=【3で分類される品目の数量】/【2で分類される品目の数量】+【3で分類される品目の数量】
1:後発医薬品がない先発医薬品(後発医薬品上市前の先発医薬品等)→計算式に関与しない
2:後発医薬品のある先発医薬品
(先発医薬品と後発医薬品で剤形や規格が同一でない場合を含む)
3:後発医薬品

※ただし、下記薬剤・処方は計算から除外
a) 2(後発医薬品のある先発医薬品)のうち、後発医薬品と同額又は薬価が低いもの
Ex.)採用薬では メトグルコ錠250mg
b) 3(後発医薬品)のうち、先発医薬品と同額又は薬価が高いもの
Ex.)採用薬では メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「トーワ」
(H28年度の薬価改定で、先発医薬品であるメトグルコ錠250mgの薬価が下がり、後発医薬品と同薬価になったため)
c) 経腸成分栄養剤、特殊ミルク製剤、生薬、漢方製剤、その他の生薬および漢方処方に基づく医薬品
d) 準先発品(昭和42年9月以前に承認・薬価収載された医薬品のうち、薬価差のある後発医薬品があるもの(内服薬・外用薬に限る))
e)基礎的医薬品(H28年の薬価改定より新設。薬価収載より25年以上経過し、かつ汎用され先発医薬品でも後発医薬品でもない医薬品:アスピリン、アレビアチン散、チラーヂンS錠等)
f)公費単独処方 Ex.)生保

<ポイント>
① 1(後発医薬品がない先発医薬品)は式に含まれていないため、新薬のような先発医薬品(後発医薬品が世に出るタイミングは、先発医薬品製造販売開始後10年経過時が一般的)はいくら使用しても関係ない。
Ex.)ネキシウムカプセル、エリキュース錠 等
②数量ベースである→内服薬錠剤であれば、1回の服用数量が多く、1日の服用回数も多く、かつ処方日数の長いものから切り替えた方が置換え率のプラス側への変動が大きい。
(結果が出やすい)
Ex.)ウルソ100mg錠 6T/3×毎食後 90日分 を後発医薬品とした場合、6T/日×90日=540T の後発医薬品使用となる
③計算には薬価収載における規格単位が使用される
Ex.)液剤、散剤、外用剤のカウント方法
ヒアレイン点眼液0.1%:398.50円/瓶
(当店採用の後発薬:ティアバランス点眼液0.1%)
→1瓶処方時に後発医薬品への変更で数量「1」(錠剤で言えば1T相当)
リボスチン点眼液0.025%:131.90円/mL
(当店採用の後発薬:レボカバスチン点眼液0.025%「サワイ」)
→1瓶(5mL)処方時に後発医薬品への変更で数量「5」(同じく5T相当)
ヒルドイドソフト軟膏:23.7円/g
(当店採用の後発薬:ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「日医工」)
→100gで「100」(100T相当)
軟膏では 他に薬価が○円/10g というもの、水剤では△円/mLと□円/10mL等、
同剤形でも薬価単位が異なるものもある。
つまり、ヒアレインとリボスチンが同じ処方量であれば、リボスチンを後発医薬品へ変更した方が貢献度が高い。
④分母は受け付けた処方箋内容により決まるため、どの医療機関の処方箋でも受け付ける旨をうたっている一般の保険調剤薬局では、分子を大きくするしかない。
「今迄後発医薬品が存在しなかったため先発医薬品で調剤していたが、最近後発医薬品が誕生したのを知らずに今迄通りの薬剤で調剤した」となると、今迄計算式に関わらない薬剤だったものが、急に分母(後発医薬品ありの先発医薬品)に入ってきてしまうため、置換え率の低下を招いてしまうことに注意。
特に今年は 6月にミカルディス(テルミサルタン)やエビリファイ(アリピプラゾール)、セイブル(ミグリトール)の後発医薬品が薬価収載・販売開始となり、今後もクレストール(ロスバスタチン)やオルメテック(オルメサルタン)も特許切れで後発医薬品が出てくる予定であるため、ただでさえ分母が大きくなってしまう状態。
該当薬剤の後発医薬品への切り替えに着手する必要がある。
また、2年に一度 薬価改定があり、前出のメトグルコの件のように、「先発医薬品の薬価が後発医薬品レベルまで下げられた」となると、該当する後発医薬品は式から除外されてしまうため注意。
今迄偶数年(直近では2016年)に薬価改定が行われていたが、2018年度からは毎年になる予定。
⑤A医院の処方や、先発医薬品名で記載され かつ変更不可にチェックの入った処方では、後発医薬品への変更ができない。
⑥透析の方達は公費単独ではないため、先発医薬品→後発医薬品への切り替えにより%が変わる。

ジェネリック薬品 ⇒ 粗悪品というメディアの偏向報道があります。
ジェネリック薬品の中にはそういったものもあるのかもしれませんが、生物学同等試験を行い、先発より新しい工場で、優れた基剤を使ったものや剤形の工夫をされたものがほとんどです。
しっかり勉強して、患者さんにとって価格だけでなくメリットが多いものは、ご説明をし変更を提案していきたいです。
なごみ薬局は、未来の子供たちに医療費の負担を背負わせてはいけないと思っています。

 

引用:80%目標の具体的な達成時期については、平成29年6月の閣議決定において、「2020年(平成32年)9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する。」と定められました。
http://www.mhlw.go.jp/…/iryou/kouhatu-iyaku/index.html