なごみ薬局 アイケアユーCafeのワークショップPVができました♪

毎月、月末になごみ薬局で開催されているワークショップです。

どんな方でも参加できます。

参加者は、患者さんはもちろん、医療や福祉を学ばれたい方、専門職の方、企業の方、元気になりたい方、薬剤師、訪問看護士、歯科医師、大学教授、中野区役所の方まで、様々です。

*アイケアユーCafeとは?
医療や介護に関心のある人々を対象とした、なごみ薬局主催の対話型ワークショップ・コミュニティです。

薬剤師や介護士といった専門職から、他職種のデザイナーやプログラマー、中野区の地域住民の皆様など、多様な方々がご参加されています。

東京都中野区における多職種連携を目的に、在宅医療・認知症・緩和ケア・地域包括ケア・介護旅行など、様々なテーマで毎月開催しています。

*参加を希望される方へ
下記のFacebookページから毎月イベントページを立てているので、そこから参加申し込みをお願いいたします。
どなたでも参加可能なイベントですので、お気軽にお越し下さい。
https://www.facebook.com/icareyou.jp/

主催:渡邊 輝(株式会社 なごみ薬局 代表取締役)
和泉 裕之(和泉ワークショップデザイン事務所 代表)
場所:なごみ薬局 上高田店(http://www.nagomipharmacy.co.jp/
撮影・編集:moeko matsuzaki( https://moeko-m.com/

《9月度分プレアボイド報告》

《9月度分プレアボイド報告》
本店より2件
①クラビット500mg 2T/1×の処方箋を受けたため、問い合わせ。
→1T/1×に減量となった。
●添付文書上「500mg/1×、適宜減量」となっており、基本500mg上限となります。
むしろ腎機能に応じて減量が必要であり、高齢者では腎機能低下を考慮して「初日のみ500mg、翌日以降250mg/1×」あるいは「初日のみ500mg、3日目以降2日に1回250mg」とすることもあります。
また、以前世の中に100mg錠が存在した頃は3T/3×で使われていましたが、その後PK-PD理論に基づき1日1回大量投与となった薬剤です。
添付文書上にも「分割投与は避け、必ず1日量を1回で投与」と記載されています。

②エディロールも含めいつもの継続処方を投薬した際、本人より「別病院でフォルテオ開始となったので、エディロールは中止すると先生が話していた」との申し出あり。
→問い合わせたところ、エディロール中止となった。
●フォルテオと活性型VD製剤は併用注意(相加効果による血清Ca値上昇に注意)であり、禁忌ではないため、併用しているケースもあるかと思います。
今回は本人が申し出て下さったことで問い合わせに至ったようです。

第8回アイケアユーCafe 介護旅行でつながらナイト!

本日は第8回アイケアユーCafeを開催させていただきました。

まずは、参加者アイケアユー介護福祉士 酒井さんの素晴らしい振返り。

「出来ない、ではなく自分が相手のためにやりたいかどうか」

2017/9/19
アイケアユーカフェに参加しました。
今回のゲストは日本旅行介護士協会の加藤信一さんです。

加藤さんの話しを何回か聞いていて、その度に思うのはこの旅行介護サービスは本人や家族も介護士も救われるサービスだと思います。

介護を仕事にする人は大抵は「目の前の人に喜んでもらいたい」という気持ちからこの業界に入って来たはず。

けれども施設の環境(極度に安全を求める職員・管理者層)、介護保険制度(例えばデイサービスだと6時間とか施設内に居ないとお金が貰えません。)に縛られてその人のニーズを掬えない環境があります。

外出サービスは仕事の時間外でボランティアでやるのは違う、正当な報酬は頂くべき仕事だと私は思います。
他の仕事と同じように、相手のニーズを満たしているのだから。

このサービスを利用する事で、今まで介護が必要だから、と何処にも行けない祖父母の前で旅行の話しが出来なかった家族がお互いの旅先の話しをするようになったり、気持ちにハリが出て健康を取り戻す人が大勢います。
それは6年の活動の中で1500人がこのサービスを利用した結果からもわかります。

「旅行に行きたい人がいるのになんでやらないの?それが悔しかった。」と言う加藤さんの言葉が印象的でした。

挑戦せずに諦めて「あんなの出来っこない」と評論家になる人が多い中、加藤さんは続けました。
「誰もやった事が無いという名のトンネル」に入り、トンネルを掘り続ければ路が開けると信じて。

 〜渡邊 介護旅行を振り返らナイト!〜

スペシャルゲストに加藤信一さんをお迎えして、介護旅行の実態についてお話いただき、加藤信一さんという「人」そのものを掘り下げようと質問を重ねてみました。
高校が一緒で、保険外の外出支援を志し、悔しい想いをバネに今まで続けてこられた。
約1500名もの笑顔がこのビジネスの存在意義を立証していました。

ぷちパネルで、思わず、なんでこんなことをやっているのですか?保険外なんて無理だ、儲からない、安定しない、続けられない、だから誰もやってないのに、、。
なぜ、全てを捨ててまで、そこまで他人に貢献できるのか。
(初めて、打合せした時も、思わず聞いてしまいました)
「笑顔がみたいから。元気にしたいから。」一度やったら辞められない。安全性に配慮しつつ専門性の高いハイクオリティサービス。一つ一つ丁寧に依頼者からの感謝を拾っていく、だから続けてこられた。利用者の想いに応えられなくて、悔しい思いをもう二度としたくないから。だからやっている。だから一歩踏み出した。これを広げていかないと世の中が良くならないんだ。
今日のたった2時間では、参加者の誰もが帰ろうとせず、薬店は複雑性マックスのカオス状態となっていました。


加藤さんを一言でいうと、南アフリカの元大統領・ネルソン・マンデラそのものだ、彼の本からある言葉を参加者にシェアしました。「ウブントゥ」です。私たちは、他者を通してのみ存在できる。という、アフリカにある概念です。他の人々のお陰で、今日のワークショップもすごいものになったし、みんなのお陰で日本は少しずつ変革(維新)していく。
信念の下、過激なまでに不屈の精神で他者に貢献し続け、ついにはアパルトヘイトを撤廃するあの感覚を、純粋に誠実な人柄である加藤さんを中心に感じたはずです。

参加者の中には、訪問看護師に新卒で踏み出そうとする方、介護タクシーの方、ぶらタモリさせたい作業療法士、車椅子になっても介護に関わる素敵な方、介護旅行をさせたいご家族、訪問薬局、脳内旅行をさせる臨床美術士、初参加の方にもアイケアユーの「一歩踏み出す」こと、インスピレーションが湧く場所として認識していただけたら嬉しいです。どうせ死ぬなら、死ぬほど学び、行動、仲間、そして、立志しよう。

最後に、「失敗」とは、人生の最後に後悔すること。スタンフォードのデザインスクール、ティナ・シーリングの言葉。最期に後悔しないよう旅行介護を通して、QOLを劇的に改善させる今日のお話ではありましたが、自分達こそも時間の有限性を意識して、失敗のない人生を、一日一生、日に新たに積み重ねていくことをコミットさせていただきます。
職種や資格にとらわれるな、他人の課題を背負うな。自分達は、やりたいことをやって、地域のために、人を大事にすることで稼ぐ。どーせ無理だと言うあんたは、最後までやったことがあるのか?足の引っ張り合いは、もういい加減やめよう。情報を横に流すのではなく、価値を生み出す組織、人になろう。
今日感じたのは、必ず、アイケアユーから、日本の未来を変える人材が生まれるはずだ、ということです。
貴重なお時間を割いて頂き、ご参加いただきました加藤さん皆様と対話を通して「魂が震えるような体験」をさせていただいたことに、心より感謝申し上げます。有難うございました!らぶちゃんのグラレコおみやげ感謝です!

イクスタンジ(エンザルタミド)カプセルについて勉強会しました。

【上高田勉強会共有】
2014年5月に販売開始された去勢抵抗性前立腺癌に対するイクスタンジ(エンザルタミド)カプセルについて、上高田店にて取り扱いがあり、勉強会開催がありましたので内容共有いたします。

■イクスタンジカプセル40mg
アンドロゲン受容体のシグナル伝達阻害作用を有する新規抗アンドロゲン剤

【適応:去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)】
→ホルモン療法が効かなくなっている状態
→イクスタンジ導入時期
→アンドロゲン除去療法(以下、ADT)施行後PSAが最低値(nadir)から25%以上かつ上昇幅として2ng/mL以上で患者への説明を開始

【イクスタンジの特徴(一般)】
・1日4カプセル(160mg/日)の服用が必要(何カプセル剤で長径21mmと大きい)
(→現在、錠剤への製剤化を試みている段階とのこと)
・発現頻度の高い副作用は疲労・倦怠感、悪心、食欲減退
(→化学療法と異なり、生化学的用量制限毒性が少ない)
・国際共同第Ⅲ相試験(PREVAIL試験)においてプラセボ群と比較し、OSを有意に延長し、死亡のリスクを29%低下させた(Kaplan-Meier法)
・PREVAIL試験においてプラセボ群に比べPSFを有意に延長し、画像診断上の病勢進行および死亡のリスクを81%低下した。
・1カプセル 2354.10円であり、一カ月当たり28万円ほどの費用がかかる
(→高額療養費適応)。
・ワーファリンとの相互作用があるため、抗血栓薬を使用する場合は腎排泄型のプラザキサ等への変更が必要

【イクスタンジの特徴(他剤比較)】
・食事の影響を受けない
・ステロイド併用の必要がなく、ステロイドによる副作用に制限されることがない
(→糖尿病を合併した患者さんにも使用可、骨粗しょう症の副作用がない)
・治療選択としてビカルタミドの代替となりえるポディショニング
(→OS延長のデータが他剤になく単純比較はできない)

【薬剤師としてできること】
・有用性の確認された用量での服用を継続できるよう、副作用の説明・管理
(CTCAE Grade2を呈する疲労、倦怠感、悪心・嘔吐、食欲不振発現時の治療コンサルタント)
・イクスタンジ治療抵抗性になった場合の次の治療の選択肢の共有

【感想】
・ホルモン依存性の癌種にはホルモン療法が著効し、化学療法で見られる血液毒性の頻度が低いことが特徴であることが分かった。特にイクスタンジの用量制限毒性は患者の主観的な事象も多く、薬剤師も治療継続に大いに寄与できると感じた。
・同種同効薬のある新薬は、承認取得のためには既存薬に勝るポイント(有効性、副作用の発現率低下、低コスト)が必要となる。イクスタンジは実臨床での使用成績を蓄積の上で更なるエビデンスが構築されると考えられる。
・地域の薬剤師は前立腺がんの1つのマーカーであるPSAのスクリーニングを早期に実施するよう健康な方への予防啓発で前立腺がんの早期発見、予防に寄与できる立場であると感じた。

メディカルアロマ 精油を用いた風邪予防・対策について

今回は、これからの季節に向け、精油を用いた風邪予防・対策について報告します。
前回同様、NARD(ナードアロマテラピー協会)に準じた内容であり、NARDが定める条件を満たす精油(※)を用いた場合に限ります。
ちなみに、精油は医薬品ではなく、「効果がある」と表現することができないため、一般的には「作用がある」「有用」等の表現を使います。
※NARDが定める精油の4つの条件
①芳香植物から水蒸気蒸留法または圧搾法で抽出した芳香分子の集合体で、採油後に成分の添加や除去が一切行われていないもの。(ただし、ジャスミンとベンゾインはこの条件から外す。)また、採油国・採油時期・消費期限が印字されていること。
②化学的に検証を行い、分類した、ケモタイプ精油(ケモタイプ:形態的に全く同一で成分だけが異なる植物)であること。→植物学名が記載されている。
③日本国内で精油の分析を行い、そのデータを公開し、ロットごとの成分分析結果が確認できること。→芳香成分、屈折率、旋光度等の情報が記載された分析表(添付画像①)が添付されている。
④残留農薬について、検査していること。
風邪やインフルエンザというと、よく使われる精油は、ティートゥリー、ラヴィンツァラ、ユーカリ・ラディアタ(他にも様々あるが、今回はこの3種を紹介)。
それぞれの使い分けについてみていく前に、芳香成分類を電子座標で表したもの(添付画像②)を見ておくと理解の補助になる。
絶対ではなく例外もあるが、精油成分がもつ作用の概ねの傾向を把握することができる。
座標の上側は(-)に帯電した成分類で、鎮静作用のあるものが多い。→場合によっては日中使いが困難。
下側は(+)に帯電した成分類で、強壮作用を示すものが多い。→場合によっては夜には使いにくい。
左側は極性のあるもの(湿:有機化合物のうち、Oをもった親水性のもの)が多い。→肌なじみが良い。乾燥肌には保湿にもなる。
右側は無極性のもの(乾:CやHばかりからなり、疎水性、親油性)が多い。→肌にぴりっとくる可能性があり、植物油やジェルなどで十分に希釈する必要がある。むくみとりに良い。
一般的に、座標系の左下に属するもの(フェノールを含め、アルコール類)に抗菌活性が強い。確かに、「アルコールといえば消毒剤」というイメージはある。
中央下部にある酸化物類は、免疫調整・去痰作用があることから、感冒の予防・改善に使用される。
ツンとした香りのものが多く、元気付け的な印象(イメージとしては強壮、よって下部)。
それぞれの「~類」というのは母集団であり、その中にそれぞれ固有成分(例えばα-ピネン←モノテルぺン炭化水素類中の一成分、森林の香りと言われている)がたくさんある。
ちなみに、以前(3/2の投稿) 体質診断(50問に回答し、自分の体質を知る)について紹介した際、この電子座標系と体質分類座標(添付画像③)が重なり、体質の偏りを補うために、対角線上の分類に属する精油(添付画像④)を用いるとよいという話があったため、座標系に見覚えのある方もいらっしゃるかも?

●ティートゥリー(Melaleuca alternifolia フトモモ科、葉)
主な含有成分は、
モノテルペン炭化水素類:抗ウイルス作用(+++)、抗菌作用(++)
約46%(γ-テルピネン、α-テルピネン等)
モノテルペンアルコール類:抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用、免疫調整作用(+++)
約43%(テルピネン-4-オール)
(※%はLot.ごとに変動する)
抗菌作用があり、様々な感染症の予防に効果的。
自生地オーストラリアの原住民であるアボリジニが、健康に欠かせない精油として昔から利用してきた。
モノテルペン炭化水素類という、精油成分の中では一番基本のもの(有機化合物として分子量が比較的小さい)の含有率が高く、分子量が小さい=空気中に漂いやすいため、皮膚塗布でなくても、ディフューズ(空気中への散布)でも有用。

●ラヴィンツァラ(Cinnamomum camphora CT(Cineole) クスノキ科、葉付き小枝)
※CT=ケモタイプ よって、上記は「シネオール成分が多いタイプ」の意味
主な含有成分は、
酸化物類:去痰・抗カタル(※)・抗ウイルス・免疫調整作用(+++)、抗菌作用(++)
約56%(1,8シネオール)
モノテルペン炭化水素類:抗ウイルス作用(+++)、抗菌作用(++)
約30%(α-ピネン、β-ピネン等)
モノテルペンアルコール類:抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用、免疫調整作用(+++)
約10%(α-テルピネオール等)
※抗カタル作用:体内の過剰になった粘膜(特に鼻や咽頭など→痰、鼻水、鼻づまり)を
粘液溶解・排出させる作用
ラヴィンツァラには誘眠作用がある(座標系ではモノテルペン炭化水素類もモノテルペンアルコール類も下部にあるため、鎮静より強壮系のはず…?と、こういうところが例外)
ため、日中使いは避けたい。眠前使用向き(不眠対策にも使われる精油)。
植物油等で希釈しての皮膚塗布、ディフューズいずれもOK。
本精油は抗ウイルス作用と、特に免疫刺激作用が強いため、風邪をひきたくない時、つまり予防(インフルエンザも含め)に向いている。
更に、抗カタル作用は酸化物類にしかなく、実際に症状が出ている時の使用(回復に向けて)にも向いている。
禁忌・注意事項なし。

●ユーカリ・ラディアタ(Eucalyptus radiate ssp. Radiate フトモモ科、葉)
※ssp.=亜種
主な含有成分は、
酸化物類:去痰・抗カタル・抗ウイルス・免疫調整作用(+++)、抗菌作用(++)
約70%(1,8シネオール)
モノテルペン炭化水素類:抗ウイルス作用(+++)、抗菌作用(++)
約15%(リモネン等)
モノテルペンアルコール類:抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用、免疫調整作用(+++)
約10%(α-テルピネオール等)
ちなみに、コアラが食べているユーカリとは異なる品種。
酸化物類の比率が高く、抗カタル・去痰作用に特に優れることから、風邪をひいたりインフルエンザにかかったりして症状が続き、苦しい時向き(もちろん予防にも使えるが)。
痰のからまる咳を鎮める作用もある。
植物油等で希釈しての皮膚塗布、ディフューズいずれもOK。
禁忌・注意事項なし。
つまり、予防:ティートゥリー → 症状出始めの眠前:ラヴィンツァラ → 症状が続く時:ユーカリ・ラディアタ と使い分ける。
鼻づまりのある時には、抗カタル作用のある成分を含む精油をマスクの内側に塗布して使うとよい。
もちろん、絶対にこの使い分けをしないといけないわけではないが、抗生剤と同じように、同じ精油を長期使用継続することで耐性菌が出る可能性もあるため、1つ1つが長期化しないように使い分けることが推奨される。
また、これは医療機関に受診する前のセルフケアの話であり、医薬品でないとできないこともあるため、症状が重く・つらくなる前に医療機関を受診することが望まれる。
画像①:分析表               画像②:芳香成分類 電子座標系

画像③:体質分類座標         画像④:座標上の精油の分類
※④について、ほぼ単一の成分のみの精油もあれば、複数種の「~類」で構成され、かつそれぞれの類の中に更に複数種の成分をもつ精油もあるため、後者では座標上の分類が難しくなる。その場合、含有比率の大きい類が属する座標上の位置で記載されている。

六年制の薬学部生が実務実習を行っております

現在なごみ薬局本店では薬学部5年生の学生に実習を行っております。

大学における事前実習で十分な知識、技能、態度を習得し更なる医療の質の向上に貢献できる薬剤師の養成を目指しております。

実習にあたり、患者さんをはじめ関係者の皆さまにご協力をお願いすることがありますが、ご理解のほど宜しくお願いいたします。

尚、話し声や対応など気になることがございましたらお申し付けください。