こんにちは。中野区のなごみ薬局在宅医療チーム・訪問薬剤師の3号です😊
今回は、なごみ薬局在宅医療チームが行なった、ポリファーマシーに対する介入について書きたいと思います。
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ポリファーマシーとは?
多くの薬を服用しているために、副作用を起こしたり、きちんとくすりが飲めなくなったりしている状態をいいます。
単に「服用する薬の数が多い=悪い」ということではありません。
しかし、高齢者では、使っている薬が6種類以上になると、副作用を起こす人が増えるというデータがあります。
また、高齢になると、肝臓や腎臓の働きが弱くなり、薬を分解したり、体の外に排泄したりするのに時間がかかるようになり、
若い頃よりも副作用が起こりやすくなるので注意が必要です。
薬局薬剤師の目から見ても、服用タイミングが多かったり飲み方が複雑で薬が正しく飲めず、せっかくの薬の効果が上手く出ていない…というケースを多く見てきました。
実際の事例
最近在宅訪問の介入が始まった患者さんなのですが、認知症のある高齢の患者さんで、薬を6種類以上服用していました。
患者さんでシートを切って薬を管理していたのですが、初回訪問時に同席した娘さん曰く、「胃薬は、自分で判断して飲まないことも多いみたい」とのこと。
ご本人からも「飲まなくても胃の調子は問題ないから、飲まない時もある」とのお話が聞けました。
また娘さんから「薬の量が多いのが心配なんです。減らせないんですかね?体も小さいし、薬でお腹いっぱいになっちゃいそうで」とのお話もありました。
診療レポート
診療レポートには「胃薬服用で胃の症状抑えられているようなので継続します」との記載がありました。
そこで、「医師はご本人が飲んでいないことを知らないのかもしれない?」と思い、
情報提供書(トレーシングレポート)にご本人や娘さんからヒアリングした胃薬の服用状況や娘さんのご希望を記載し、
「服用必要性について再検討いただけますか?」と病院に電話し、詳細をFAXで送りました。
すぐに電話返答いただけた!
するとその日のうちに、処方医から直々にお電話をいただけました!
次回より、2種の胃薬のうち1種を削除するとのこと。
すぐにご検討いただき感謝です。
処方変更後の体調変化についても、引き続きヒアリングし、医師へ情報提供していきたいと思います。
なごみ薬局はポリファーマシーの問題に取り組んでいます
ポリファーマシー対策には、薬を削除する他にも、「服用タイミングをまとめる」「服用回数の少ない薬に切り替える」「合剤を検討する」などの方法があります。
これからも薬の専門家として、ポリファーマシーの問題に取り組んでいきたいと思います。
参考)
「あなたのくすり、いくつ飲んでいますか?」
https://www.rad-ar.or.jp/knowledge/post?slug=polypharmacy
「どうしてる?ポリファーマシー対策」
https://pharmacist.m3.com/column/summary/1542?promotionCode=op_pcolumn_1473
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なごみ薬局では薬剤師による居宅訪問を行っております。
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