令和2年度 薬・薬連携推進研修会(がん領域)
東京都薬剤師会主催
「副作用マネジメントの基礎」
2021.3.6 13:30〜18:55 @Zoom
●がん医療を取り巻く現状と、求められる薬剤師の職能
がん=国民病
早期発見や早期治療で多くが治る時代、がんと共存し社会復帰できる時代になった
1つの病院や1人の医師ではがん診療は完結しない→直接がんに関わらない医療スタッフもがんに対する知識と患者が抱える悩み等の理解が求められる
薬局薬剤師はがん患者を地域で支えていく上で、患者背景やレジメンの理解、共通言語での情報共有が求められる(CTCAEでの副作用評価など)
例)レゴラフェニブ服用患者day9からの来店(電話)相談
「昨日から指先が赤くなってきて、チクチクして痛む。昨晩から保湿剤を使い始めた。このまま服用を継続していいか?」
→×:「副作用ですね、医師に相談してください」
×:「医師に連絡しますね」→「患者さんがこう言っています、どうしたらいいですか?」
◎:「手を見せてください。いくつか質問するので答えてください」
CTCAEを用いて評価した上で医師に相談
「昨日から両手指先にグレード2のHFSが起こっています。足はまだ発現していないようです。レゴラフェニブは明日から減量ですか?継続ですか?保湿剤に加えて〇〇外用剤を処方してください。」
何コース目の治療なのか、どういう目的の化学療法なのか(術前、術後など)によって、副作用発生時に減量すべきか、延期すべきか、中止すべきかなどの判断が異なるため、治療方針、経過、ゴールを理解した対応が必要となる
●感想
病院を離れてからあまり知識をアップデートできていなかったがん領域を振り返る良いきっかけとなりました。概要から症例検討、病院薬剤師と薬局薬剤師それぞれの立場からのお話が聞けて大変充実した内容でした。
各レジメンやCTCAEでの副作用評価などは、薬局にいると、自分から学ぼうとしないと難しい内容かもしれませんが、できる人だけが知っていればいいものでは決してありませんし、全体のスキルアップの必要性を感じました。
各演者の充実したスライド資料、データでありますので欲しい方はお声かけください。
連携充実加算を算定している病院は、レジメン公開や薬局薬剤師対象の研修会の開催が必須になっていますので、薬剤部ホームページを除くと色々と資料が見られます。
薬剤師 K