〜外用剤の似ている薬をまとめてみました〜
薬局は全国の病院の院外処方が受付可能であり、同種同効薬や類似薬を知ることができます。病院の院内処方は採用薬が決まっていることが多いため、これは薬局の特徴だと思います。今まで見てきた薬の中で使い分けや違いがわからなかったものを書いていこうと思います。今回は外用剤をまとめました。
外用剤
- 白色ワセリンとプロペト
○共通事項
・ワセリンとは天然物由来(石油)の原料から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製した製剤。
・精製度の低い順に石油→黄色ワセリン(軟膏基剤)→白色ワセリン→プロペトとなる。
・両者とも1g中に白色ワセリン1g含有する。
〇白色ワセリン
・寒暖によって粘稠度が変わらない。光、湿気の酸敗することが少ない。
・軟膏基剤、皮膚保護剤として用いる。「ケンエー」は眼軟膏用基剤としても用いられる。
・創傷面の乾燥を防止し、皮膚を保護する。
〇プロペト
・白色ワセリンより稠度が大きく、粘度が低く、降伏値が小さく、展延性が大きい。(軟らかく、粘り気が少なく、塗り延ばしやすい。)
・眼軟膏用基剤として用いられる。
・皮膚保護・柔軟作用、痴皮(かさぶた)の軟化・脱落作用、肉芽形成促進作用がある。患部の乾燥を防止する。
- 亜鉛華軟膏と亜鉛華(10%)単軟膏
〇亜鉛華軟膏
・酸化亜鉛200g(20%含有)、流動パラフィン、白色軟膏適量を含有する。
・白色軟膏は白色ワセリン(油脂性基剤)に界面活性剤を添加しており、吸水作用を有する。従って滲出液が多い部位に用いる。
○亜鉛化(10%)単軟膏
・酸化亜鉛100g(10%含有)、単軟膏を含有する。
・単軟膏はミツロウ、ダイズ油、ジブチルヒドロキシトルエンを含有する油脂性基剤であり、吸水性を有さない。従って滲出液の少ない部位に用いる。また皮膚乾燥や発赤・掻痒感が生じることがあるため、長期使用する場合は亜鉛化(10%)単軟膏を用いることがある。
参考文献:健栄製薬HP https://www.kenei-pharm.com
マルホ医療関係者向けサイトhttps://www.maruho.co.jp/medical/articles/topicalagent_basics/base/01.html
- アズノールうがい液とイソジンガーグルうがい液
○アズノールうがい液
・アズレンは創傷治癒促進作用、消炎作用を有する。咽頭炎、扁桃炎、口内炎、急性歯肉炎、舌炎、口腔創傷に用いる。
・水100mLにアズノール5〜7滴を希釈する。
・炎症部位に薬が接触するようにうがいする。例えば口内炎の場合は口内を、喉が腫れている場合は喉の奥でうがい。
○イソジンガーグルうがい液
・ヨウ素は細菌・ウイルス感染予防・殺菌作用を有する。咽頭炎、扁桃炎、口内炎、抜歯創を含む口腔創傷の感染予防、口腔内の消毒に用いる。
・目安として水100mLにイソジン5mL(小さじ1杯)を薄めると20倍希釈となる。
・口、喉全体を30秒以上うがいする。
①②③参考文献:添付文書、インタビューフォーム