なごみ薬局には海外旅行好きスタッフが何名かおりますが、その1人である私が、今までの旅行で撮影した世界の薬局の写真を、数回に分けて紹介させていただきます。
まず今回はヨーロッパと北米です。
ヨーロッパには、世界最古の薬局があります。
イタリアのフィレンツェにあるサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局で、建物自体は1200年代のものだそうですが、残念ながら私はフィレンツェでの旅程がタイトで、訪問することができませんでした。
代わりにイタリア旅行中の街中の薬局写真を2枚。
電光看板がいずれも十字マーク。2枚目は赤ですが、緑のものが多かった印象です。
また、ガイドさんのお話によると、イタリアの電光看板で点滅が許可されているのは薬局だけなのだとか。
FARMACIA(ファルマチーア)が「薬局」の意味。
次に、クロアチアの首都ザグレブで見た、薬局の看板。
やはり緑の十字ですが、中の図が「ヒュギエイアの杯」です。
ギリシャ神話に登場する名医アスクレピオスの娘であるヒュギエイアが持っていた杯で、蛇の巻きついた杯として表現されます。
「アスクレピオスの杖」、「ヒュギエイアの杯」のどちらも医療の象徴として世界的に広く用いられているシンボルマークですが、前者が医学、後者が薬学のシンボルマークとして用いられる場合が多いと言われています。
これは覚えておくと便利で、旅先で現地語が分からず看板の文字が読めなくても、看板にヒュギエイアの杯があれば薬局!
後日イスラム圏について紹介しますが、欧米とは宗教が違えど、イスラム圏でもよく目にしたマークです。
クロアチア語でljekarna(イェカルナ)が「薬局」。
クロアチア最古の薬局はマラ・ブラーチャ薬局で、人気の観光地ドゥブロヴニクにあり、世界で3番目に古い薬局だそうです。
秘伝のレシピで作られるハンドクリームや化粧水等が大人気。
撮影禁止なので写真はありませんが、気になる方はガイドブックやインターネットでご覧ください。
代わりと言っては何ですが、クロアチアの都市スプリットで、その土地で最古の薬局に行きました。
レトロな立て看板と、店内の棚に薬瓶が配置された写真の2枚をご紹介。
棚右端に、ヒュギエイアの杯の飾り絵が見えますね。
こちらは、クロアチアの歴史的都市シベニクで、石造りの建物が並ぶ旧市街内の壁に表示された経路案内札。
そして中欧オーストリアの首都ウィーンには、大理石とモザイク造りが美しいエンゲル薬局があります。
オーストリアの公用語はドイツ語で、APOTHEKE(アポテーケ)が「薬局」。
窓上の壁画に、壺のようなものに巻きついた蛇が見えます。
入口両脇のエンゲル(ENGEL=天使)が盃を掲げ、その腕に蛇が巻きついているのも見えます。
これらも、ヒュギエイアの杯を表しているか、それに着想したものかと思われます。
また、2つ目の写真は別の薬局ですが、APOTHEKEの頭文字Aをヒュギエイアの杯にデザインしたものが薬局を表すマークになっており、「端的にわかりやすく」というドイツ語圏らしさと、音楽の都であるように芸術性に優れたウィーンらしさとを兼ね備えたデザインが、個人的には好きです。
他国では薬局は緑色のマークが多いところ、オーストリアでは赤にしているのも、国旗や国営航空会社等のカラーに合わせているのかなと、私が勝手にですが、愛国心を感じます。
今回の最後は北米枠でハワイ ホノルルより。
こちらは調剤併設のドラッグストアで、フロアが広かったことと、店内に一般用医薬品のクラリチン(花粉症の方はなじみの商品でしょうか)がたくさん在庫されていたのが目につきました。
本土と離れたハワイとはいえ、さすがアメリカ、フロア面積も在庫も、スケールが違うなぁ…と思いました。
次回はイスラム圏の薬局を紹介したいと思いますので、楽しみにお待ちくださいませ。