今回、なごみ薬局内でもプレアボイド報告を行ってみてはどうかと考え、報告書原本を作成してみました。
多忙な業務の中 報告書を記載しなければならないという負担・デメリットはありますが、下記メリットが期待できるのではないかと思われます。
①プレアボイド事例は、重複投与・相互作用等防止加算の対象となる場合もあり、加算=増収 につながる可能性がある。→会社のためになる。
②プレアボイド事例を共有することで、注意すべき観点が洗い出され、皆が共通のレベルで対応できるようになる(当初自分では気づかなかったプレアボイド事例にも、気付けるようになる)。→各個人のレベルアップ、会社としての底上げになる。
③今後 新卒入職者がでた場合、蓄積されたプレアボイド事例が教育ツールにもなる。
→個人かつ会社のためにもなる。
④何といっても患者様のためになる!
現時点では「報告=報告書を記入する」であり、前出の通りそれを外部に報告する制度はありませんが、重複投与・相互作用等防止加算の観点から、世の流れとして今後プレアボイド報告は必然になってくるのではないかと思います。
今後の運用次第によりけりのため、やってみないことにはまだわかりませんが、例えば下記方法により更なるメリットもあれば幸いです。
・優良なプレアボイド事例を店内に掲示したりHPにアップしたりすることで、
a) 患者様のお薬手帳利用率↑(医療費削減に貢献)、信頼性↑により当店利用者・利用率↑
b) 薬局のアピールになり、求職者問い合わせ件数↑
プレアボイド報告はある意味インシデント・アクシデント報告とも紙一重ですが、インシデント・アクシデント報告が主に反省を含め再発防止のためのもの(これもとても重要なことです!)であるのに対し、プレアボイド報告は薬剤師の職能アピールという要素から、患者も薬剤師も会社もwin-win-winな関係になれる前向きな作業であり、インシデント報告とプレアボイド報告の両方を行うことで、より なごみ薬局の質を高められるのではないかと思います。
報告書記入時間は新規発生してしまいますが、患者様からの聞き取りや医師への問い合わせを含め元々日常業務として行っていたことを「報告する=文書化する」だけであり、特別身構える必要はありません。
プレアボイドの定義上 通常 報告者は薬剤師に限ったことになりますが、残薬有無・重複投与・患者の訴え等は受付時・入力時に事務の方々が把握し、薬剤師にその旨声掛けして下さっており とても助かっていますので、事務職も報告者の対象として始めてみようと思います。
日本病院薬剤師会でのプレアボイド報告内容は、基本的には患者に介入したことによって発見されるものである(※下記参照)ことから、1枚の処方箋のみで気付いたもの(通常1日1回の薬剤が1日2回で処方されている、空腹時投与薬が食後指示になっている、等)は通常の疑義照会にあたり報告対象外となりますが、今回はそれも対象として まずは幅広く報告を収集したいと考えています。
※日本病院薬剤師会でのプレアボイド報告対象例
・複数の医療機関からの処方箋を同時に持参された際 併用禁忌薬があった
・体重の聞き取りをしたところ 薬剤がかなりの過量だった
・過去の患者登録情報から禁忌と思われる薬剤が 今回処方されている
・残薬があるため処方日数調節や処方削除を患者から依頼された
・患者の話や様子から副作用が疑われた
・PCの薬歴上orお薬手帳上 別の日に他科・他医療機関より同一薬剤又は同効薬が処方されており 今回増量ではなく重複投与が疑われる、等
記入用の報告書は、クリアファイルに入れて 欠品薬ファイルの並びにあります。 報告書提出用クリアファイルに入れて下さい(報告日の古いものが下になるよう、上に重ねていって下さい)。
以上です。
社員が自発的に初めた取組ですが、一人でも多くの人を心から元気にするため、少しでも行動を発信しようと思っています。
地域があってのなごみ薬局ですので、皆様の健康増進のために、真摯に誠実に、継続していきたいと思います。引き続き、なごみ薬局をどうかよろしくお願いします。