精神科領域の副作用

@H30.8.28勉強会(吉富薬品)社内メモ

頭部・顔面

【頭部】頭頂部が熱い(共に手足の熱感):セロトニン症候群(初期症状)

【目】目が上を向く(眼球上転):ひどくなると首がねじれる<抗精神病薬>

【目】瞼が垂れ下がった感じ:眼瞼下垂

【目】目のかすみ、目の乾燥(ドライアイ):抗コリン作用

【顔面】顔面の引きつり:パーキンソニズム<抗精神病薬>

【顔面】仮面様(無表情でまばたきもしないなど)の表情:症状悪化or抗精神病薬

【口】口、舌、顎がモゴモゴする:ジスキネジア<抗精神病薬>

【口】舌の飛び出し:ジストニア<抗精神病薬>

【口】口が渇く(口渇):抗コリン作用

【口】よだれが出る:パーキンソニズム<抗精神病薬>

【口】話をしにくい(ろれつが回らない):過鎮静、ジストニア<抗精神病薬>

※薬の副作用ではなくても、他の原因で脳に何らかの障害がある可能性も。(例:脳梗塞<視界に変化、手にしびれ>)早めにDRへ。

手足

・ふるえ(振戦):パーキンソニズム<抗精神病薬>

・足のムズムズ:レストレスレッグス症候群、アカシジア<抗精神病薬>

・手のひら、足の裏が熱い:セロトニン症候群(初期症状)

・手足のつっぱり:ジストニア<抗精神病薬>

胸部・腹部(消化器系含)

・胸がドキドキする:抗うつ薬、抗精神病薬ではどれもQT延長リスクあり

・乳房肥大(男性でも)・女性化乳房・乳汁分泌・月経異常:<抗精神病薬>

・胃がムカムカする、吐き気、嘔吐:投与初期1週間程度が多い<SSRI/SNRI/抗精神病薬の一部>

・尿の出が悪い、残尿感がある:尿閉<抗コリン作用>

・便の回数が減る、便が硬い:便秘<抗コリン作用> 重篤になるとイレウス

・食欲の以上亢進、体重増加:<抗精神病薬/抗うつ薬(特にパロキセチン)>

・血糖値上昇:<非定型抗精神病薬>

身体全体

・ふらつきや運動抑制:過鎮静

・身体のこわばり、ねじれ(捻転)、傾き:ジストニア<抗精神病薬>

・身体の疲労感:過鎮静の可能性/長期服用→肝障害からくる疲労感の可能性 (肝機能値を確認)

・立ちくらみ:起立性低血圧

・動悸:向精神薬ではQT延長を起こしやすい薬が多い。心電図を確認。

・体にぶつぶつや発赤が出る

:薬疹<特にカルバマゼピン、バルプロ酸など>

「悪性症候群」「スティーブンス・ジョンソン候群」「中毒性表皮壊死融解症」などの

「重症薬疹」の初期症状の可能性もあり。

・月経異常<ドパミン遮断作用をもつ薬物>

・乳汁分泌<ドパミン遮断作用をもつ薬物>

・乳房肥大、女性化乳房<ドパミン遮断作用をもつ薬物>

・身体がむくむ:心臓や腎臓への影響によって浮腫が生じることがある。

気分、歩行状態、運動状態 ※気分の訴え→折り合いをつけながら継続

【気分】眠気:ヒスタミン受容体に作用する薬、薬剤による過鎮静

【気分】感情面の平坦化:過鎮静、薬剤性の陰性症状

【気分】焦燥感、不安:症状悪化、抗コリン薬、抗不安薬の離脱症状

【歩行/運動】動きが固まっている、鈍い:無動状態、動作緩慢 パーキンソニズム<抗精神病薬>

【歩行/運動】小刻み歩行、前屈歩行、身体が傾く:<抗精神病薬>

【歩行/運動】ソワソワしてイスに座っていられない:アカシジア=静座不能<抗精神病薬>

その他

・解熱鎮痛剤が効かない熱発:悪性症候群→風邪等と勘違いしやすい。死亡することもある。強制的に冷やす。

・水を過剰に飲む(多飲水)・水中毒:急な体重増加がないか確認、低Na血症、低Cl血症がないか血液検査。家族が気付きやすい。

・不眠:不眠のパターンを確認。(入眠障害/中途覚醒/早朝覚醒/熟眠障害)

  睡眠日誌を利用して実際の睡眠パターンを確認してもらうのも有効。

・記憶力や判断力が落ちる、会話にまとまりがない:認知障害<抗コリン薬>

・性機能障害:射精障害、持続勃起症、性欲亢進(起きていても訴えない場合も)

株式会社なごみ薬局は「次世代育成支援対策推進法」に基づき「一般事業主行動計画」を公表します。

一般事業主行動計画について新しくしました。
なごみ薬局は今後は以下のような方針で行くことを決めました。HPに掲載しています。
http://www.nagomipharmacy.co.jp/一般事業主行動計画/

以下、一般事業主行動計画の公表について

株式会社なごみ薬局は「次世代育成支援対策推進法」に基づき「一般事業主行動計画」を公表します。

次世代育成支援対策法とは

企業が、子育てをしている労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための雇用環境の整備や、子育てをしていない労働者も含めた多様な労働条件の整備などを行うため、または、女性労働者の活躍推進の取り組みを着実に前進させるために策定する計画です。

一般事業主行動計画とは

企業が、子育てをしている労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための雇用環境の整備や、子育てをしていない労働者も含めた多様な労働条件の整備などを行うために策定する計画です。

株式会社なごみ薬局 行動計画

社員が、会社での仕事と家庭や子育てを両立させることができ、社員全員が働きやすい環境をつくることにより、全ての社員がその能力を十分に発揮できるよう策定した行動計画です。

1.計画期間 平成30年1月1日~平成35年12月31日まで

2.計画内容

目標1:時間外労働短縮や、休みを取りやすい職場環境を目指す。(ただし、これは子育てをしているものなどに限るものではなく、全社員に対して行う)

対策①時間外労働の適正推進対策を実施

   事業所毎の適正配置や業務内容、業務分担、シフト等の改善

  ②カエル会議の実施

目標2:育児休業を取得しやすい環境の整備づくりを行う。

対策①育児休業期間中の代替要因の確保や業務内容の見直しを行う

   →経営状況を見ながら、採用は積極的に行っていく

  ②育児休業をしている労働者の継続的な情報提供、社内での飲み会やイベントごとには参加できるように声掛けを行っていく。

目標3:多様な労働条件の整備

対策①短時間制度の定着

12歳未満の子を養育する労働者に対する短時間勤務制度は既に導入しているが、この制度が継続できるようにシフトの見直しや改善、周囲からの協力や理解をしてもらえるよう周知を徹底していく。

対策②子どもの看病のための休暇について、時間単位で取得できるようにする。(1時間単位)

目標4:育児・介護休業法に基づく育児休業等、雇用保険法に基づく育児休業給付、労働基準法に基づく産前産後休業など諸制度の周知を行う。

対策①育児介護休業規定が各店舗に設置してあるため、いつでも見られる環境にしてあることを伝える。

対策②リーフレットを貼り、周知させる。

目標5:出産や子育てによる退職者についての再雇用制度の実施

対策①出産や子育てで一度退職してしまった者に対しても、雇用を検討していく。

以上になります。

なごみ通信 8月号


 先月は、熱中症についてご紹介しました。今後もまだ暑い日は続くようなので、元気に秋を迎えられるためにも、身体のケアをしながら、この暑さを一緒に乗り越えていきましょう。

 熱中症になる一番の原因は、大量の汗をかくこと。汗と一緒に体の中の水分だけでなく、ナトリウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルも失われることで体温を調節する機能がうまく働かなくなります。夏は特に、胃の消化機能が衰えているので、1度にたくさんの量を飲んでしまうと胃に負担がかかってしまうので、こまめに水分を少しずつ摂ることが大切です。

今回、オススメしたいものは日本の伝統食材である『梅』です。古くから「梅は三毒を断つ」(三毒:食・血・水の毒)と言われていて、重宝されてきました。梅には、疲労回復などに有効な成分(クエン酸、リンゴ酸、カルシウム、カリウム、ビタミンA・B1・B2・C etc)が多く含まれています。梅干しは日本の昔ながらの保存食です。最近では研究が進み、さまざまな効果が発見されています。量としては、1日1、2粒目安で摂ると良いと言われています。最近では減塩の梅干しも増えてきていますが、高血圧等で、塩分が気になる方は、梅肉エキスがおすすめです。

梅肉エキスは、すりおろした青梅をアクを取りながら、弱火で長時間じっくり煮詰めた濃縮エキスです。青梅1kgから20gくらいしかとれないエキスで、基本的に塩分が含まれていません。小さじ1杯をそのまま摂るか、もしくは、梅肉エキスドリンクとして摂ることもおすすめです。私は風邪予防、胃腸が弱っている時に摂るようにしています。このエキスはかなり酸っぱいですが、酸っぱいもの好きにはたまらない美味しさがあるので、ぜひ試しに摂ってみてください。

<梅肉エキスドリンク レシピ>

*梅肉エキス  小さじ1/2杯   *お湯  1杯分 *黒糖/きび糖/はちみつ お好みの量

梅肉エキスを少量のお湯と甘みとで一緒に練り合わせ、残りのお湯を注いで混ぜれば出来上がり♪

また、今年はクーラーが手放せなくなっているので、いつもより必要以上に身体が冷えている方も多いのではないかと思います。特に、首元や手首、足首は一番冷えが入りやすい部位なので、実際に触れてみて冷たくなっているようだったら、足首も覆うような靴下を履いたり、まわす体操をする、温めることで血流を良くしておきましょう。                

参考元:一般社団法人 梅研究会

担当 Y




薬局で接遇マナーやることになりました。

【書籍購入のお知らせ】

新入社員の入社に伴いマナー研修用として一冊の本を購入しました。

事務員用に一般的なものを考えましたが、やはり薬局は少し特殊な環境とも言えますので薬局に特化したものでこちらにしました。
基本的なことからイレギュラーな事態の対応方法までQ& A形式になっております。
ご興味のある方は是非どうぞ。

尚、本日、この本を用いてSさんに事務員新人お2人と実習生お2人にマナー研修をして頂く予定です。

患者さん対応のプロをめざす!
「選ばれる薬剤師」の接遇・マナー 村尾孝子
こちらを購入しました!

社員が自主的に接遇マナー勉強会を開いてくれています。

結局トラブルは些細なことから起こってしまいます、、社員を守るためにも接遇マナーはとても大事。

こころ配りができる人に、信頼と仕事が集まるし、感謝されるし、次の未来があるのだと思います。

自分こそやりたいです、、。

以下_社員からコメントいただきました。

私も読みまして、自分の対応が間違っていなかったなという確信、自信にもなりましたし、逆にハッとさせられる所もありましたのでベテランこそ一読の価値はあると思います^ ^

OTC:乾燥肌とスキンケア

【勉強会報告】

e-ラーニングにて「OTC:乾燥肌とスキンケア」を学びました。

医療用薬剤にも応用のきく部分があるかと思いますので、報告します。

乾燥肌・保湿ケアというと冬のイメージがありますが、紫外線が乾燥肌の原因になることもあり、夏も注意が必要です。

・乾燥肌の起こりやすい部位

前面:腕、腰、脛→汗や皮脂の分泌が少ない

後面:肩、太腿付け根、ふくらはぎの内側 等

→衣服とこすれやすい

・皮膚は表面から順に表皮→真皮→皮下組織からなるが、表皮にある4層のうち一番上の角質層は「潤いを保つ」「バリア機能」といった働きを有する

・角質層の構造

皮脂膜:水分の蒸発を防ぐ、刺激の軽減 等、天然のクリームの役割

角質細胞間脂質(主にセラミド):水分保持

角質細胞内の天然保湿因子(尿素 等):水分保持

・乾燥肌の原因

加齢:新陳代謝低下、皮脂分泌量低下(10〜2代で最大、乳幼児も少ない)

体質・遺伝:アトピー性皮膚炎 等のアレルギー体質

・乾燥肌が生じる皮膚疾患

①乾皮症:皮膚が乾燥し、白い粉をふいた状態→悪化すると、

皮脂欠乏性湿疹:湿疹、痒みがひどい

②貨幣状湿疹:コイン状の湿疹、強い痒み、ジクジク(湿潤)・かさぶた 等

・乾燥肌が生じる基礎疾患

糖尿病、腎臓病

・乾燥肌の対処法:スキンケア

①保湿剤の使用(水分の増加・保持)

症状が悪化する、湿疹があらわれた場合…

②ステロイド外用剤の一時的な使用

・薬剤選択上の注意

尿素:目のまわり、粘膜、ひびわれ、ただれ、赤く腫れている部位には使用しない

ヘパリン類似物質:出血性血液疾患のある人(血友病、血小板減少症、紫斑病)、わずかな出血でも重大な結果を来すことが予想される人

・ステロイド外用剤

strongert,very strong,strong,mild,weakの5段階中、OTCはstrong,mild,weakの3ランクのみ

皮膚の弱い人(高齢者、乳幼児)や顔面への使用はmild,weak

・ステロイドの禁忌

細菌,真菌,ウイルス性の皮膚感染症および動物寄生性皮膚疾患の人

緑内障,白内障の人→長期・大量の使用で眼圧が上昇することがあるため、そのような使用法とならないように、という意図の様子

潰瘍のある熱傷,凍傷の人

※妊娠中・授乳中の人:大量使用,長期間,広範囲の使用は安全性が確立していないため、使用は避けること

・剤形の種類と特徴

軟膏:刺激が少ない、油脂の含有量が多い(感想が強い人にgood)

ベタつきがある

クリーム:使用感がよい、浸透性がよい

刺激性がある

ローション・乳液:有毛部位や広範囲に使用、顔などの皮膚の薄い部位

※夏場はローション・乳液、晩秋〜冬は軟膏、クリームはオールシーズン 等季節で使い分けるのもよい

・保湿剤の使用法

1日数回、擦り込まないように広範囲に・体のシワに沿って塗る

軟膏・クリーム:人差し指の第一関節までの量

乳液・ローション:1円玉大

→これらがいずれも掌2枚分

入浴後5〜10分以内に塗布(その前に水や化粧水をつけておくとなおよい)

・ステロイド塗布時の注意点

上記の目安量を、擦り込まず薄く塗る

広範囲に大量に塗らない

5〜6日間を使用期間の目安とする

顔面への使用は5g/日以内とし、かつ1週間以上使用しない

目のまわりへの使用は避ける

・重大な副作用

リドカイン(局所麻酔成分)入りの場合、ショック症状(発赤,悪心,息苦しさ,冷や汗,めまい 等)出現の恐れあり→出現したら医療機関を受診

・尿素・ヘパリン類似物質の主な副作用

かゆみ,発疹・発赤,かぶれ,腫れ,刺激感(痛みやピリピリ感),皮膚がはがれる

特に尿素製剤は、使用直後 一時的にしみることがある

・ステロイド外用剤の主な副作用

発疹・発赤,かゆみ,白癬症,にきび,化膿,持続的な刺激感,皮膚萎縮,多毛

・スキンケア

毎日入浴

38〜40℃の湯

木綿の柔らかいタオルや手で体を洗う

弱酸性の石鹸を使用

入浴剤の使用に注意する(タンパク分解酵素やイオウ 等好ましくない成分を含有している場合があるため)

・生活指導

肌着は木綿や刺激の少ない素材のものを

アトピー性皮膚炎の場合柔軟剤を避ける

・乾燥肌を防ぐ食事

ビタミンA・Eを積極的に摂取→レバー,うなぎ,緑黄色野菜,豆類

かゆみがある場合は香辛料や刺激の強い食事を避ける

2018.8.19 在宅医療講座

【勉強会参加報告】
昨日在宅の勉強会に参加しましたので、報告させていただきます。

2018.8.19 在宅医療講座
「多職種連携で薬剤師に期待されること〜薬学的な視点から患者を見ること、薬剤師の視点の臨床判断を磨こう〜」
講師:薬樹株式会社在宅グループ 山形和子先生(薬剤師・ケアマネ)

■在宅患者への最適かつ効率的で、安心・安全な薬物療法を提供するために、臨床判断において、以下の思考と行動のプロセスを身につけることが大切。
①疾病の知識・薬の知識(どんな治療法があるか、薬剤の特徴など)
②患者情報の整理(患者背景の要点をまとめる)
③薬学的判断(処方内容、患者情報、薬歴、介護者の理解度など様々な観点からの考察)
④服薬指導(服薬指導後のモニタリングも含めて)
⑤多職種への情報提供と共有(誰に、何を、どのように伝えるか)
この5つについてワークシートにまとめて判断していく。

■実際の2症例を元に上記のプロセスで判断していくグループワークを行いました。
 症例1:前立腺癌にてイクスタンジカプセルからザイティガへ切り替えとなったが、この変更に伴い服用薬剤が増え不安を訴えた事例
 症例2:褥瘡に対し、ゲーベンクリームとハイドロサイトADジェントルが処方された事例

■感想
 判断のプロセスは、誰しも日常的にある程度頭の中で行なっていることではあると思いますが、1症例ごとにじっくり考え文字に起こすことで、見えてくる新たな発見があることがわかりました。新規の在宅を始める際や問題点がある場合にはこういったプロセスを活用して、皆でグループワークをして問題解決を行うような症例検討の時間が取れたらなと思いました。

「薬剤師が活かすアロマセラピー」

【勉強会参加報告】

6/19 浅草薬剤師会による研修会「薬剤師が活かすアロマセラピー」

●第十七改正日本薬局方収載の精油(精油名、主成分、適用)

・ウイキョウ油(フェンネル):anethole

賦香料、配合剤(胃腸薬)の原料

・オレンジ油:d-limonene

賦香料(製剤用)

・ケイヒ油:cinnamaldehyde

賦香料(製剤用)、芳香健胃薬

・テレビン油:α/β-pinene

外用

・チョウジ油(クローブ):eugenol

局所麻酔・鎮痛・殺菌

・ハッカ油:menthol

芳香健胃薬・局所刺激剤(パップ剤)の製造原料

・ユーカリ油:1,8-cineole

賦香剤・うがい薬 去痰薬に添加

●嗅覚の特徴

・嗅神経細胞は終生絶え間なく再生を繰り返す

・効果的に刺激することで嗅神経細胞が再生される

・香りの刺激は海馬に伝わり 海馬や周囲の神経細胞の働きを活性化する

・香りを嗅ぐことで記憶が蘇る(プルースト効果)

●嗅覚とアルツハイマー型認知症(以下、AD)について、現在迄に報告されているもの

・ADにおいて嗅覚機能が低下する

・ADにおいて嗅覚障害が初期の段階で現れる

・嗅覚障害がある場合ADになるリスクは4倍

・ADでは左右の嗅覚に差が現れる

●認知症における非薬物療法において、刺激に焦点をあてたアプローチとしてアロマセラピーが、行動に焦点をあてたアプローチとして回想法がある。

→前述の「嗅覚の特徴」を考慮すると、例えばADの方やその予防をしたい方に、昔使用していたのと同じ化粧水や香水を使ってもらうことで嗅神経細胞が再生され、海馬や周囲の神経細胞の働きが活性化し、記憶が蘇ることが期待される。

プルースト効果の面では、知らない香りではなく、記憶と結びつく香りを提示すること。

●薬剤師によるアロマセラピーの活用

・嗅覚低下の早期発見(AD患者)

・嗅覚の識別テスト→何気ない会話の中で、相手を傷つけずにさりげなくチェックできる

・認知症予防の提案(※)

・BPSD(認知症における 行動・心理症状のこと→暴言や暴力、興奮、抑うつ、不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、せん妄、徘徊、もの取られ妄想、弄便、失禁など)対応(プルースト効果の活用)

・セルフメディケーションの提案

・コミュニケーションツール

※認知症予防の精油

①朝の精油:交感神経を刺激し脳を活性化

ローズマリー(カンファー):レモン=2:1

②夜の精油:副交感神経を刺激しリラックス

真性ラベンダー:オレンジスイート=2:1

●アロマクラフト提案時の注意

・効果は表示しない→雑貨である精油を用いた個人作成物であり、医薬品ではないため

・作成はご本人・家族→自分のために作り自己責任で使用することが前提であり、薬剤師か作成したものをあげてはいけない

・材料と容器の選定→視覚から入るのは大事だが、かわいいからといって安易に選択しないこと。ガラス製又は耐薬品性のプラスチック製(PE,PP)遮光容器を使用

・パッチテストを行う→例えばキク科アレルギーの方に禁忌の精油もある

●研修会の様子

病院の院内製剤(緩和ケア・口腔ケアとして、口臭予防咳嗽液)や、診療所内の製剤を参考にした鼻腔乾燥予防クリーム(使用により、度重なる耳鼻科通院がパッタリなくなった)のレシピ紹介もありました。

認知症予防の精油①②を実際に嗅ぎ分けてみたり、雑貨としての精油だけでなく局方品の精油も用いた消臭スプレーや乾燥肌対策のラベンダーローション(布団に入るたびに掻痒感を訴える老人の乾燥肌に重宝するそうです)を実際にその場で作成してみたりと、座学だけにとどまらず楽しい研修会でした。

●感想

外来患者に薬局内で、在宅患者に訪問時、アロマクラフトの提案ができ、かつ経過がよければ、例えば認知症の薬剤・抗アレルギー薬・睡眠薬・抗不安薬や、それら薬剤による副作用対策の薬剤も減薬・中止できる可能性があるため、より知識を深めつつ、実践できるようにしていきたいなと思いました。

サインバルタ(SSRI)勉強会

@H30.8.7勉強会(日本イーライリリー)

  • 患者に対する処方内容(薬剤名、用法・用量等)の確認

<効能効果>うつ病・うつ状態

<用法用量>1日1回朝食後40mg(維持量)

      1日20mgより開始し、1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgずつ増量する

      効果不十分な場合には1日60mgまで増量できる

      ※「少量から服用開始し、副作用等の様子を見ながら増量します」

      ※副作用の吐き気や眠気の影響を軽くするために夕に投与されるケースもある。今まで保険で切られたことはないとのこと。

      ※吐き気の副作用を軽くするためには食直後に飲むと良い。

      ※減薬していく時、最後は①隔日服用のパターン、②ジェイゾロフトに変えて中止するパターンもある。(メーカー推奨しているわけではない)

  • 原疾患の症状と類似した副作用(錐体外路症状、パーキンソン症候群等)や致死的副作用(悪性症候群、セロトニン症候群等)のモニタリング

<多い副作用>悪心、傾眠、めまい、頭痛

発現率は投与初期(2週間まで)に高い傾向あり。多くの場合はしばらくするとおさまる。

★副作用にびっくりして服用中止しないように、初回は予期される副作用を説明しておく。

  • 薬識が不足している患者及び患者家族への教育とアドヒアランス

離脱症状が現れることがあるので、自己判断で服用量を変更したり中止することのないように、継続的に飲むように伝える

抗うつ剤は一般的に「9ヶ月飲んで1年様子見る」 最低半年服用する

 SSRI・SNRIは効果が出るのに4週間かかると言われている

 臨床試験では2週間というデータもあり

(プラセボ効果か)数日で効果あるという人もおり、人による

  • 薬物の依存傾向を示す患者等に対して、治療開始時における適正な薬物療法に関する情報を提供 

サインバルタに関しては「依存の懸念は少ない」が、「やめづらい」薬ではあるとのこと(飲まないと症状が再発→やめられない)

→少しずつ減薬していく。最後は隔日やジェイゾロフトに変更することもある。

  • 自殺企図等による過量服用の危険性のある患者の把握と服用管理の徹底
  • 転倒に関する注意喚起
  • その他

併用禁忌:エフピー(セレギリン塩酸塩)

7〜17歳では有効性が確認できなかったとの報告あり