〜内服薬の似ている薬をまとめました〜
薬局は全国の病院の院外処方が受付可能であり、同種同効薬や類似薬を知ることができます。病院の院内処方は採用薬が決まっていることが多いため、これは薬局の特徴だと思います。今まで見てきた薬の中で使い分けや違いがわからなかったものを書いていこうと思います。今回は内服薬に焦点を当てましたが、次回は外用剤をまとめる予定です。
○共通事項
・両者ともビフィズス菌。腸内で乳酸や酢酸を産生し、腸内細菌の正常化をはかる。
○ビオフェルミン
・ビフィズス菌。市販薬がある。
○ビオフェルミンR
・耐性乳酸菌。「R」は「Resistance」が由来。抗生剤投与時においても増殖製に優れる。添付文書ではペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸と併用。ビフィズス菌や乳酸菌は胃酸に弱い。食後であればpH4~5へ上昇するため、乳酸菌は死滅することはなく腸へ移行する。
○共通事項
・非オピオイド鎮痛剤で治療困難な疼痛を伴う各種がん・慢性疼痛に使用。
・MAO阻害薬(セレギリン、ラサギリン、サフィナミド等)は併用禁忌。セロトニン症候群(錯乱、発熱、発汗等)を含む中枢神経系(攻撃的行動、痙攣等)、呼吸抑制、低血圧、高血圧の重篤な副作用が報告されている。
○ワントラム
・徐放性製剤(フィルムコーティング錠)のため1日1回投与。
・高度な腎機能障害、高度な肝機能障害のある患者は禁忌。
○トラマール
・通常、1日4回投与。
・腎機能障害、肝機能障害のある患者は慎重投与。
○共通事項
・半消化態栄養剤。最終段階まで分類されていないタンパク質等から構成させている。腸管での消化が必要となるため、胃・腸管の運動機能がある方に使用。
・牛乳由来のカゼインが含有されているため、牛乳アレルギー患者は控える。
・妊娠3ヶ月以内または妊娠を希望する婦人はビタミンAを5000IU/日以上投与の場合、投与禁忌となる。
○エンシュア・リキッド
・手術後の栄養保持、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給として使用。
・250kcal/本。
・香料の違いによりバニラ(バニリン、エチルバニリン、プロピレングリコール)、ストロベリープロピレングリコール)味の2種類。
○エンシュア・H
・手術後の栄養保持、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給。また、心不全や腎不全等を合併しており水分制限が必要、熱傷・感染症等による安静時エネルギーが高い、経管栄養の投与量を減らしたい、慶長栄養剤の投与期間の短縮が望ましい場合に使用。
・タンパク質や電解質の厳密な制限が必要な急性腎炎、ネフローゼ、腎不全末期患者に禁忌。
・悪心、嘔吐、下痢を合併する心不全患者に禁忌。
・375kcal/本であり、エンシュアリキッドより1.5倍高カロリー。
・香料の違いによりバニラ、コーヒー(バニリン、エチルバニリン、プロピレングリコール)、黒糖、バナナ(バニリン)、メロン、ストロベリー(プロピレングリコール)、抹茶(バニリン、プロピレングリコール)味の7種類。
○共通事項
・服用タイミングの規定はないが、アモキシシリンは時間依存性の抗生物質のため12時間ごとを勧める。
・軽い下痢の場合は服用を中止せず7日間服用を続ける。ただし発熱、腹痛を伴う下痢、下痢に血液が混ざっている場合は中止し受診する。
○ボノサップパック400
・ボノプラザン40mg、アモキシシリン1500mg、クラリスロマイシン400mg。
○ボノサップパック800
・ボノプラザン40mg、アモキシシリン1500mg、クラリスロマイシン800mg。喫煙者ではクラリスロマイシンの用量が少ないとピロリ菌の除去率が低下する報告がある。治療中は禁煙が必要。
参考文献
添付文書、IF、薬効別服薬指導マニュアル第9版(書籍)