前回はヨーロッパと北米を紹介させていただきまして、今回はイスラム圏についてです。
まずはアフリカ北部、地中海に面しており、イタリアの対岸にある国、チュニジアより2枚。
1枚目は文字がアラビア語で全く分からないところ、「ヒュギエイアの杯」マークがあることで、恐らく医療機関、それも薬局だろうな、と予想がつきました。
2枚目はマークこそこそないものの、チュニジアの旧宗主国フランスの言葉でPHARMACIE(ファルマシー:フランス語で「薬局」)と併記されているため、薬局だと認識しやすかったです。
ちなみに、アラビア語は戦前の日本同様文字は右から左に読み、「薬局」を意味するصيدلية は「サイデリア」と発音するようです。
次はドバイ。ドバイ自体は国ではなく、チュニジアと同じく公用語がアラビア語であるUAE(アラブ首長国連邦)にある首長国の1つ。
オイルマネーによる急速な近代化で、様々な世界一(世界最大の噴水・ショッピングモール・人工島・屋内スキー場、高さ世界一のホテルやタワー等)があり、観光地として人気です。
そうして世界各国から人が集まるためか、もう10年ほど前の写真ですが、しっかり英語が併記されていました。ヒュギエイアの杯も表示されていますね。
ちなみに、ヒュギエイアの杯の横に赤い三日月がありますが、これは救急車や救護所等に使用されることでお馴染みの赤十字と同じ意味合いです。
イスラム圏では赤十字は十字軍(聖地エルサレムの奪還を名目に、11~13世紀頃キリスト教徒がイスラム教諸国に侵攻し、イスラム教徒の虐殺を行った)を連想させるシンボルであるため、人道支援を象徴するマークとしては受け入れ難く、代わりにイスラム教のシンボルでもある三日月が用いられるようになったそうです。
そして、チュニジアと同じくマグレブ諸国(北西アフリカ)に分類されるモロッコより3枚。
1枚目は薬局というより雑貨屋さんかと思ってしまうような、雰囲気のある外観。
かつてフランスが宗主国だったことや、雑貨宝庫として女性に人気のモロッコならではの雰囲気?
緑の十字や三日月の看板、壁にヒュギエイアの杯も見えますね。
2枚目は店内に薬品棚が見えて、日本の薬局に近い雰囲気ではないでしょうか?
3枚目は看板。ヒュギエイアの杯もありますが、電光の三日月が目立って分かりやすかったです。
ヨルダンでは走行中のバスからかろうじて撮影できた1枚のみのため、見にくくてすみません。アラビア語に英語が併記されていたため、薬局と認識できました。
次はウズベキスタン。中央アジア内西寄りで、旧ソ連の国でもあり、イスラム圏とはいえ、中東や北アフリカとはまた違った雰囲気。
旧ソ連国故か、DORIXONA(発音は不明ですが、ウズベク語で「薬局」)にAΠTEKA(アプチエーカ:ロシア語で「薬局」、入口上のガラス部分に赤文字で)と併記されていました。
しかもこの店舗は「24soat」という記載があるため、24時間営業のようです。
内部の撮影許可をいただいたため、1枚載せます。
恐らくいわゆるOTC(処方箋なしで購入できる薬剤)かなという背景ですが、外箱の印字はロシア語が多いように見えます。
次回はその他地域(中南米を中心に)の薬局を紹介したいと思いますので、楽しみにお待ちくださいませ。
前回の記事はこちら。