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Staff Columnスタッフコラム

創業者の精神

私は、昭和薬科大学在学中に東京大学大学院を受験しましたが残念ながら不合格、その後アルバイトをしながら医学部を受験するも不合格、当時はやること成すこと失敗ばかりでした。私は研究者や医師になる夢を諦め、病院実習でお世話になった都内の私立大学附属病院に薬剤師として就職しました。自暴自棄になったりもしましたが、自分は何のために生まれたのか、誰のために生き、働くのか、その時に沢山考えました。
 3年間病院でお世話になったあと、薬局の物件が見つかったため夫婦二人で独立開業いたしました。妻は卒業間近に知り合った昭和薬科大学のSクラスです。新婚旅行も我慢して溜めた資金と親から援助してもらい、法律で許容される最低限のスペースで病院前になごみ薬局を開局しました。私達の他に6店舗も薬局が同時にオープンしてしまい、なごみ薬局は一番に倒産するだろうという厳しい状況でした。それでも患者さん一人ひとりの価値観に寄り添い、誠実にアドバイスを続け、待ち時間を減らし在庫を切らさないようにしました。地域と患者さんと社員のための経営とは何なのか。本を読み考え良いものはすぐに実行しました。経理も労務も請求も内装も営業も薬剤師以外の仕事でも、わからないことは調べてやり続けました。夜間に経営大学院で3年間勉強もしました。人生に無駄なことは一つもありません。そして患者さんが患者さんを呼び、取引業者が店舗を紹介してくれて中野と西荻窪に3店舗、社員30名を雇用するほど会社を大きくすることができました。現在は薬局を経営しながら、私が子供の頃から好きでやり続けていたプログラミングを活かした薬局づくりをしています。薬学的専門性、テクノロジー、アートの3つを強みとし患者さんの健康と未来に貢献する薬局です。ロボットで計数調剤を行い、人工知能で皮膚をアセスメントするアプリを開発、患者予測と在庫管理を自動化させました。目から認知する情報が脳に影響を与えるため、北欧の図書館をイメージし社会とのつながりの場として薬局をデザインしました。薬剤師を育てることが間接的に地域に貢献できると思い、井出さんにお願いして中野区で1番多く薬学生を受け入れています。社員へは本代や学会・資格受験料はすべて社費で賄い、プライマリーケア認定薬剤師など専門的な薬剤師を輩出しています。
 私の好きな言葉に、「一歩ふみだせば道となる」という言葉があります。薬剤師だからとかお前は不合格だからとか、年齢も性別も全く関係ありません。人の役に立ちたいという志を立て、自ら成すのみです。誰にも負けない努力をしてこそ道がひらけます。人は例外なく死にます。親から与えられた命、一度きりの人生、いつなくなるかわからない。であるならば、使命を定め、己の可能性を信じて、道をひらき生き抜きたいのです。泣きながら生まれてきたのであれば、最後くらい周りが泣いて、私は後悔することなく笑って死にたいのです。

(令和2年3月 昭和薬科大学同窓会報に掲載されました。)

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